はじめに

ルールを守って賢く節税

――これから副業を始める人が税金面で注意した方が良いことは何ですか。

税金の話になると、多くの人がまず節税を考えます。納める額を少なくして手取りを増やすという考え方です。

この「節税ありき」の考え方は注意が必要だと感じます。副業をするそもそもの目的は所得を増やすことです。所得が増えれば納税額も増えますので、そこで初めて節税という考えが出てきます。

一方、節税ありきで考える人は、例えば「経費をたくさん使って利益を減らそう」などと考えます。不動産関連では「赤字物件を持って節税しましょう」と勧める業者もいます。副業で赤字を出して納税額を減らそうと勧めるわけです。

税法の仕組み上、利益が減れば納税額も減ります。それは事実です。ただ、経費や赤字物件によってお金が出ていくわけですから、手元のお金は減ります。

手元のお金を減らす節税は歪んだ節税で、健全ではありませんし、「副業で稼ぐ」という本来の目的と照らし合わせると本末転倒といえるのです。

――会社員は確定申告する機会がほとんどなく、税の知識が乏しくなりがちです。副業を始める際には、経費の概念や節税と脱税の線引きなどを含め、税金について勉強する必要がありそうですね。

そうですね。節税は完全にホワイトです。納税が国民の義務であるのに対し、節税は納税者の権利と言っても良いでしょう。

ただ、きちんと理解していないと税務署に指摘されたり、最悪の場合、脱税になったりします。脱税は、例えば「経費を水増ししよう」「売り上げを低くしよう」など故意に納税額を少なくする行為のことで、当然ながら犯罪ですから完全なブラックです。

――ルールを守るという点では、現状として副業が認められていない会社で副業をするのもルール違反ですね。

就業規則は守らなければなりません。

隠そうと思っても、住民税の納付などを通じて会社にバレることは多いのです。

ただ、配偶者が専業主婦や主夫である場合は、彼女または彼を代表者にして法人を作ることができます。自分が報酬を受け取ると副業になりますが、配偶者が報酬を受ける分には問題ありませんので、この方法で世帯としての収入は増やせますし、副業としてやってみたいことにも挑戦しやすくなるでしょう。この場合は法人税が発生し、法人税の節税もできますので、興味がある人は勉強してみると良いかもしれません。

ただし、配偶者を代表にするにはきちんと経営をしていること、経営に関与していることが条件となります。

いずれにしても、世の中の大きな流れとして、副業を認める会社は増えていくだろうと思います。その時に備えて、どうやって稼ぎ、どんな節税ができるか考えておくのは大事だと思います。

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