はじめに

1軒目に選んだのは、築30年以上ながら空室率3%の「安定物件」

――それでどうしたんですか。

株式会社アセットビルドの代表取締役 猪俣淳さん

致し方なく、選ぶ物件の予算を下げましたよ。そうして最初に購入したのが、神奈川県横浜市金沢区にあった木造アパートです。2001年に購入しましたが、昭和45年築だったのですでに30年以上の築年数が経っていました。土地60坪ほどで物件価格は約3,200万円。ここで15年返済のローンが出たんです。

――なぜこの物件を選んだのですか。

横浜ならではの坂の上にある物件ですが、最寄駅(追浜駅)から徒歩9分の近さですし、当時の家賃も23㎡で4万3,000円と、周辺の家賃相場に比べて破格の安さでした。そのため、常時満室で稼働していた安定物件だったのです。横浜市立大学や関東学院大学も近く、ともにメインキャンパスとなっている。日産自動車を始め、大規模な工業団地もあり、居住者のニーズは問題ないと思いました。

――そういった見立てがあったのですね。

昔、このエリアの担当店舗の店長もやっていましたから、土地勘はあったんです。加えて、土地も約60坪の正方形で建て替えがしやすい。早めにローンを完済したら新築アパートに建て替えるのも良いかと考えていました。

――購入後はどうでしたか。

結果的に10年運営して空室率は3%と安定していました。年間賃料は、約413万円(戸当たり賃料4万3,000円×全8戸×12ヶ月)。物件購入価格に対する表面利回りは、約13%でした。派手な数字ではありませんが、悪くなかったと言えます。

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