はじめに

1軒目と組み合わせてバランスを取る

――なるほど。

この1軒目で大まかな仕組みが分かったので、1軒目の購入から2年後の2003年に2軒目を買いました。80坪の敷地に30坪6世帯の木造2階建アパートが2つある「2棟一括物件」で、物件価格は5600万円です。横浜市営地下鉄の駅からほぼ平坦な道のりで、徒歩8分ほどの距離。京浜急行線の人気ターミナル駅からも徒歩圏内の好立地でした。

――投資を始めて3年で2軒のペースですね。

はい。2軒目を買った大きな目的もあります。1軒目のローンが15年返済と短かったので、もう少し長いローンの出る物件を購入して、自分の投資におけるポートフォリオを“ならす”ことでした。

――どういうことですか。

まず1軒目の物件を保有していたおかげで、2軒目のローンでは、物件価格+諸費用を含んだ5750万円のローンを同じ銀行が出してくれました。物件自体の利回りを見れば2軒目の方が1軒目より低いのですが、2軒目の物件は金利が低い上にローン期間も20年と長く取れました。その結果、ローン借入れに対する返済負担は低くなります。そして2軒合わせると、全体の利回りも高くなります。

――1軒目の成果を実績にして2軒目のローンを有利にし、さらに全体のバランスをよくしたということでしょうか。

そうですね。不動産投資は1軒1軒の成果や数字を見るだけでなく、複数の物件を合わせた全体のポートフォリオで投資分析をすることが大切だと思います。最初の2軒の投資も同様で、1軒目の物件は利回りこそ高いものの、融資期間が短くキャッシュフローが薄い一方、土地値なうえに元本返済が進む速度が速く担保枠が出やすいという側面もあって2軒目のローン審査を有利にする材料になりました。その上で2軒目を購入し、全体でのキャッシュフローを上げていったのです。

猪俣さんが考えるポートフォリオによる不動産投資については、次回さらに詳しく伺います。

猪俣さんが登壇! 不動産投資セミナーが2020年8月28日(金)に開催!
参加は無料、詳細はこちら

この記事の感想を教えてください。