はじめに

勝ちやすい時を「待てる」メリットを生かす

――3月の底値から見ると「今買うのは高値つかみか」と警戒する人もいます。

相場は多少なりとも運が作用しますので、3月末の水準で買えた人はラッキーだと思います。

逆に運が悪い人もいて、買った直後にリーマンショックがきたり、震災が起きたり、今回についても年始から始めてコロナショックに巻き込まれることがあります。

これは避けようがないリスクですから投資をする以上は受け入れなければならないでしょうね。

その点から見ても買うタイミングを分散させることが大事ですが、可能な限り損したくないのであれば、9月か10月くらいまで様子見するのも良いと思います。

秋くらいには多少は相場の方向性が見えてくるかもしれません。各企業もコロナリスクとどう付き合っていくか方針を打ち出してくるでしょう。

――全体の流れを見ておくわけですね。

はい。実際に買わなくても相場と向き合っていれば、「下げ相場でもこの銘柄は強い」とか「この優待株は戻りが悪い」とか、銘柄選択のヒントが見えてくるものです。強かったり弱かったりする理由がわからなければ、分析記事はウェブ上にもたくさんあります。「なんでだろう」で終わるのではなく、もう一歩踏み込んで考えてみることも大事だと思います。

また、日本はネット証券などが発達していて投資環境が良い国です。投資先のチャンネルも多いので、iDeCoやつみたてNISAなどを使ったり、金や米国株を買っていくこともできます。最初に条件さえ決めてしまえば、その先は自動的に買ってくれますし、それも相場に参加していることになります。

――投資の幅を広げることが大事ですね。

はい。難しい時に無理して売買する必要はありません。忙しい時は休めば良いと思います。

個人投資家はディーラーと違って「待つ」という選択肢があります。そこを生かすことも本業を持つ人の特権だと思います。

また、今年の下半期がどうなるかはわかりませんが、待っていれば誰でも勝てる相場がくるものです。様子見しつつ、損しにくい相場を待つことも大事です。

――損するとメンタルにきますよね。

私は相場経験が長い方ですが、それでも朝から10万円ヤラれたりすると、顔にでて、部下に「どうしたんですか?」と心配されるくらい、その日はやる気がなくなります(笑)。

これから投資を始める人や始めたばかりの人は、最初に損をすると投資がつまらなくなってしまうでしょう。株、不動産、その他にもいろいろチャンスはあるのですが「預金でいいや」となってしまいます。

それはすごくもったいないことです。

投資は長く続けることが大事ですから、次につなげ、投資の幅を広げていくという点でも、兼業投資家の「待てる」利点を生かしながら、うまく付き合っていってほしいですね。

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