はじめに

第3子出産に向けたライフプランの改善策

ご両親は、子どもたちの習い事は人並みにさせてあげたいとの想いをお持ちです。マイホームも購入済みなので、教育費を優先させる場合、生活費から工面していくことになります。第3子出産を実現させるため、家計の大幅な改善ができるかどうかがカギになります。

●改善策1:毎月世帯支出41万円⇒36万円~37万円(▲4万円~▲3万円)を目指す

家計簿を拝見する限り、食費や光熱費、おこづかいなどは、無駄なくしっかりやりくりされているように見受けられますが、小学校就学前のお子様2人で、月41万円の支出は多いのでは。問題は、「その他」にまとめられている12万円の支出です。このうち、約3万円はご夫婦の奨学金返済です。その他、考えられる支出は、日用雑貨費、交際費、有料放送費、医療費、被服費、交通費、衛生費、予備費などと思われますが、概ね、4万円~5万円程度に抑えられるのではないでしょうか。

一度、「その他」の支出を洗い出し、捻出できる支出がないか確認してみましょう。

●改善策2: 車の買い換え時期を先送りし、もう少しお金が貯まってからにする

お子様が3人になると、確かに軽自動車では手狭になります。ただ、来年3月までに購入となると、貯蓄も少なく全額ローンを組むことになりそうです。また、ご相談者が育休に入り、収入が減ることが想定されるなか、家計への負担を増やすのはリスクが大きいといわざるを得ません。

軽自動車でも、12歳までのお子様3人なら、家族5人で乗ることは可能です。乗り換え時期は、第3子も無事に生まれて落ち着いてからでも遅くはないのでは。4年、できれば6年ほど先延ばしするのも一考です。安全面を考慮し、家族5人で遠出などする時だけ、カーシェアやレンタカーを借りるのもいいでしょう。

車の所有は70歳までとすると、乗り換えタイミングをずらすことで、車の買い換え回数も、1回分、カットできるのではないでしょうか。軽自動車の方が維持費も全体的に抑えられるので、大きな節約効果が期待できます。

●改善策3:老後資金はコツコツ積み立て&運用で増やす 

住宅ローンが71歳まで続くことや、退職金がない前提だと、ご夫婦ともに、何らかの形で70歳まで就労収入を得られるよう考えておく必要がありそうです。キャッシュ・フロー表から、老後資金準備の目安は、70歳時点で2,000万円です。まずは、老後資金用積み立てとして、毎月15,000円ほど、投資信託等で積み立てて運用して増やすことも目指してみてください。来年から、ご主人が70歳までの32年間だと、積立元本は576万円ですが、3.0%で運用できれば、973万円(+397万円)になります。さらに、その原資を1%で運用しながら70歳~80歳までの10年で取り崩した場合、総額1,044万円(+71万円)となります。国内・先進国・新興国の株や債券に1/6ずつ投資した場合の過去の年平均リターンは4.0%との金融庁のデータもあります。

分散しながらコツコツ積み立て、長期で運用するのがリスクを抑えた運用の基本です。運用にも取り組んでいただけければと思います。ご相談者の場合、貯蓄残高の推移から考えると、60歳まで引き出しができないiDeCoよりも、いつでも取崩し可能な「つみたてNISA」の活用を検討されてはいかがでしょう。

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