はじめに

パクリ騒動のあった東京五輪ロゴとの対比

一方で、あの2020年東京五輪のロゴの場合はすっきりしたデザインだったにも関わらず、例のパクリ騒動もあり、「裏ではドロドロした物がうごめいてそう」というイメージを持たれてしまった。こうした広告業界における「作為」や「巧妙さ」に対して、我々消費者は目が肥え、飽きてきているのだと思います。むしろ作為があるのが普通とすら思っている。

しかし、今回の「いのちの輝き君」はお高くとまっておらず、みんながてんでバラバラにいじりやすかった。こうした単純で遊びのあるコンテンツの方が、消費者から「僕らの側のモノやな」と思われ、支持されるのかもしれませんね。

■岡本健(おかもと・たけし)

1983年奈良県生まれ。近畿大学総合社会学部総合社会学科准教授。専門は観光学、観光社会学、コンテンツツーリズム学、メディア・コンテンツ研究。聖地巡礼研究や、ゾンビ系コンテンツを追究する「ゾンビ学」でも知られる。近著に『大学で学ぶゾンビ学』(扶桑社)、『メディア・コンテンツ・スタディーズ』(ナカニシヤ出版)など。

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