はじめに
老後をなくせば、老後の不安が消える
老後資金の相談をよく受けるのですが、あるとき、85歳の方が「これからの老後生活が心配で、お金をさらに増やせないか?」と言ってきました。この85歳の方は、「自分は、まだ老後ではない」と思っているのかも知れません。それはとても幸せなことだと思います。
冒頭で紹介したメットライフ生命の「老後を変える全国47都道府県大調査」(2019年)によると、「何歳から老後だと思いますか?」という質問項目があり、その平均は「67歳から」だそうです。ただし年齢が上がるほど老後と思う年齢は、上がっていきます。60代〜70代の場合、老後は70歳というのが大半でした。
では、年齢以外で老後を感じるかというアンケートでは、「身体が思うように動かない」と言うのがトップです。
そこで、94歳の父に「いまは老後だと思ってる?」と尋ねたところ、その答えは「ぜんぜん老後と思ってないよ!100歳まで生きるし」だそうです。
老後の不安はいろいろあると思いますが、このようにずっと老後というのを感じない生活を続けることができれば、本当の意味で老後の期間は短くなりますし、老後の心配をしなくてもいいということになります。
「老後の心配がなくなる」もっともいい方法は「老後をなくす」ことです。そして、ずっと長い間楽しい人生を送れる近道でもあるとも思います。そのためには、「生きがい」を見つける必要があると私は感じます。