はじめに

コロナにより転職市場は大きな変化を迎えました。求人数は減り、転職希望者は増加、希望者側の大激戦状態になりました。転職活動は、今がいいのでしょうか、それともコロナ終息後がいいのでしょうか? 面談人数2,000人以上、300社以上の転職支援をしてきた転職コンサルタントの池田佑樹が「オススメの転職活動の時期」と「転職成功のコツ」について解説をします。


転職市場の現状と動向予測

●現状の転職市場について
まず転職市場の現状について解説をします。DODAが発表した2020年7月の転職求人倍率レポートによると、求人数は前年同月比65.0%と大きく落ち込みました。一方、転職希望者数は前年同月比109.8%と大幅に増加しました。

全体的に見ても、緊急事態宣言を発令した2020年4月から求人倍率は大きく落ち込み、2020年7月も低迷しています。また重要なポイントとして、転職希望者数は、2014年4月以降過去最高の転職希望者数となっています。

「求人数は激減をしているが、転職活動者は増えている」。つまり、転職希望者側の「大激戦市場」に急変したのが今の転職市場といえます。

●今後の転職市場についての予測
では今後の転職市場はどうなっていくのか? 2020年9月11日に発表された、内閣府・財務省の「法人企業景気予測調査」によると、政府の予測では、「緩やかに回復し、2021年3月ごろには水準に戻る」という見方をしています。確かにこのまま回復していく事を祈りますが、私は大きな懸念が2つあると考えています。それは「オリンピック中止」と「コロナ再流行」です。

まずオリンピックの件ですが、経済効果の分析で著名な関西大学の宮本勝浩名誉教授によると、延期による経済損失は6,408億円、中止した場合の経済損失は4兆5,151億円と試算してます。そして、「一刻も早く中止に舵を切り少しでも損失を減らす努力を始めるべき」と話しています。2021年のオリンピック開催も確定している、とは言いがたい状況です。

次にコロナ再流行の件は予測することは難しいですが、間違いなく言えるのは、緊急事態宣言のような強い自粛がもう一度発令されれば、「景気後退になる可能性は十分にあり得る」ということです。

このように、今後の転職市場は政府の予測では水準に戻るとなっていますが、大きな懸念があるため、全く油断ができないということです。

実際、2020年8月17日の日本経済新聞によると、「民間エコノミストの予測では、コロナ前のGDPに回復する予想は2024年が最多」とあります。

また、過去の統計(一般職業紹介状況(職業安定業務統計)|厚生労働省)を見ると、求人倍率が激減したリーマンショック時では、求人倍率が元に戻るのには約5年かかりました。

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