はじめに
考え方の「自分軸」を持つために
さて、なぜ、こんな話をしたかというと、比較対象が現れたときに、どう受け止めるかで人生はけっこう変わると思うからだ。
「ああ、私の家はエッグスタンドもない家なのか。恥ずかしい……」 そう受け取る人が一定数はいるのではないだろうか。ここでいう「エッグスタンド」は、例のひとつにすぎない。
「幼稚園の頃にお受験をしたことがある」
「海外へ行くときは必ずファーストクラスに乗っている」
「家にはサッカーができるほど大きな庭がある」
社会に出たり、SNSを開いたりすると、比較する機会が増えていく。特に、上京して大学に進学したり、就職して都会に出てきたり、結婚などのライフイベントで人間関係が変われば、この問題に直面する。生きていく限り、つねに「比較対象」にさらされる。
でも、比較対象がないほうが、人は幸せなんじゃないか。そう思うと、「自分はこうやって生きてきた」ということをちゃんと軸として持っておくことが必要だ。人をうらやんでしまいそうなときに、この言葉を思い出して立ち戻ってほしい。
「エッグスタンドなんて、いらなくない?」
すると、人生におけるさまざまなことを内省することができ、ぐっとラクになることだろう。
子どものお受験=エッグスタンド
ファーストクラス=エッグスタンド
大きい庭付きの家=エッグスタンド……
瞬時にそう置き換えるようにすればいい。さもエッグスタンドを持っていることを当たり前のように語るやつに、劣等感を抱く必要はない。