はじめに

最も多く財産を譲りたいなら全ての方法を採用

節税のことまで考えてなるべく多くの財産を甥っ子に譲りたいという場合、養子縁組をしつつ暦年贈与で生前贈与をし、トラブル防止を考慮しながら遺言書を作成するというお答えになります。ご相談者夫婦は、退職前で年間660万円貯金が増えており、現在の貯蓄や持ち家、今後の退職金や配偶者の父親から配偶者への土地などの相続の可能性も考えると、将来的に相続税の課税対象となる可能性は高いと思われます。

ただ課税対象となっても申告納税をすれば良いので、無理にまで節税をしたいわけではない、もしくは財産の一部を譲りたいだけなのだという場合は、養子縁組をせずとも相続時の状況によっては自然と甥は法定相続人となり得ますし、生活上の支援をしてあげつつ、次に、生命保険、遺言の作成、生前贈与を複合的に考えることがおすすめです。どの方法を採用するかは、ご相談者夫婦のライフプランとのバランスや、甥の人生でどのタイミングで大きな資金があるとより展望が開けるのかなど考えて、生前のうちに贈与するか将来に相続で財産を遺すのか決めれば良いのかと思われます。

実際に実行に当たってはより細かな検討が必要になります。そのため分からないことはきちんと専門家に具体的にご相談の上、方法の採用と手続きを行っていただければと思います。

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのFPが答える「みんなの家計相談」の過去の記事一覧はこちらから。

この記事の感想を教えてください。