はじめに

ポイント3 定年退職後も長く安定して働くことで資産寿命を延ばす

キャッシュフローでは、ご相談者さんが60歳時点で5,000万円以上の貯蓄残高となっています。もちろん、これは、仮の条件の元のシミュレーションですし、長い人生では、さまざまなライフイベントが出てきますので、この通りというわけにはいかないでしょう。ただ、30代などの若い世代の方が(もちろん筆者のような50代のプレシニアも含め)、人生100年時代の長生きリスクに備える方法として確実なのは、長く安定して働くということです。しかも、ご夫婦そろって働けばリスク分散にもつながります。

現時点では、公的年金受給は原則65歳ですが、将来的に、受給開始年齢が引き上げられることも考えられます。定年退職後にもできるだけ長く働くことで、預貯金などを取り崩す時期を後ろ倒しにできれば、資産寿命はその分延びていきます。

その他 保険の見直しなどもご検討を

ご相談にはありませんでしたが、お子さんが増えたことで、ご夫婦に万が一何かあった場合の死亡保障も上乗せする必要があると感じました。
 
目安は、ご相談者さん(夫)は、お子さんの教育費として一人当たり1,000万円ずつ。保障の上乗せは、定期保険や逓減定期保険、生活費に充当しやすい収入保障保険で行います。共働きの妻も、公的遺族年金や家計への貢献度に応じて備えておけば安心です。

いずれにせよ、筆者も同じ親として、子どもに十分な教育を受けさせたいという親の気持ちは十分理解できます。でも、お金をかければ、良い教育が受けられるとは思いません(選択肢は広がるでしょうし、学歴は得られるとは思いますが)。

できる限り教育費をかけたいとお考えの方々には、「かけても良いですが、その分、自分たちの老後資金を減らしているようなものです」とお答えしています。「親ができるのは、ここまで」と線引きし、足りないなら子ども自身に負担させるのもひとつの考えではないかと思っています。

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのFPが答える「みんなの家計相談」の過去の記事一覧はこちらから。

この記事の感想を教えてください。