はじめに
今の景気はどうなの?
今回の調査は、8月19日〜9月14日にかけて行われましたが、その結果は「1年前と比較した景況感は悪化」しているというものでした。景況感を表す指数は前回から4.4ポイント悪化し、▲75.6と約11年振りの低水準となりました。ビフォーコロナの2019年12月が▲29.8だったので、9カ月間で▲45.8ポイントの大幅な落ち込みが続いていることがわかります。
一方で、過去最低だったリーマンショック直後の▲88.9(2009年3月)の更新までには至らなかったほか、3か月前の調査と比べて景況感が「悪い」と答えた人の割合が40.4%から37.2%へと減少するなど、明るい兆しもみえてきました。
景況判断の根拠をみると、「自分や家族の収入の状況から」が引き続き最も高いものの、足元では「マスコミ報道を通じて」や「商店街、繁華街などの混み具合をみて」が増加しています。この結果から、緊急事態宣言が解除され、Go To トラベルなどの政策の効果もあって観光地や商店街の人出が回復し、それを報じたニュースなどから、景況感が最悪期を脱しつつあることを感じている様子がうかがわれます。
また、収入に関する項目をみると、1年前と比べて収入が「減った」という回答が約4割となっているものの、「増えた」という回答が前回調査から若干増加し、それらを合計した指数は9か月ぶりに改善しました。
一方で、支出をみると、1年前と比べて支出が「減った」という回答が大幅に増加し、支出を減らす動きが続いていることがわかります。特に4割以上の人たちが外食と旅行について、1年前と比べて支出を減らしたと回答しています。また遊園地や映画館などを含む教養娯楽サービスへの支出を減らした人の割合も大幅に増加しました。
特に、この半年間の支出については、「外出回数が減ったため、1か月あたりの支出(趣味・娯楽・交際費等)が減った」と答えた人が過半数の53.5%となるなど、日常生活の支出において新型コロナウイルス感染症による外出自粛の影響が非常に大きいことがわかります。
これに対して、食料品や家電、日用品などの支出を増加させたと回答した人の割合が増えており、全体としては、外出を減らし、在宅勤務などの環境を整え、巣ごもり消費を続けている姿も浮かび上がってきます。