はじめに

資産は増やしたいけど、普通のサラリーマンの年収で億単位の資産を持つなんて現実ではムリ……と思う方は少なくないのではないでしょう。

一般企業の会社員でありながら、現在1億円を超える資産を築かれた、千葉県在住のKさん(40代男性)。今回は、家計簿アプリ「マネーフォワード ME」ユーザーでもある、Kさんに、どのように資産を作ったのか、どんなお金の管理をしてるのか、具体的にお話を伺いました。


予算をたてるのは苦手。使ったお金を意識することで貯まるように

——一般的な収入の中から資産形成を始めるには、まずはふだんの生活を黒字にする必要があるかと思います。ふだんの支出のコントロールはどのように行っていますか?

事前に予算を決める方法は自分には合っていませんでしたが、毎日お金の記録をつけるということを続けていました。家計簿は社会人になったときから現在まで10年以上続いています。

本の「金持ち父さん 貧乏父さん」を読んだのがきっかけで、現状把握しないとお金は貯まらないんだと感じ、別の本の付録についていた家計簿ソフトから初めてみたんです。お金に関する本を読むと、「先取り貯蓄」や「使う分だけ別に分けておく」のが良いと書かれていたので試してみたこともありますが、事前に計画するのは自分には合っていなくて。

家計簿で自分が使ったお金をリアルタイムで確認しながら、コントロールしていたようなかたちです。

——予算を決めるわけではなく、必要なものにはお金を使うというスタイルですね。ついついお金を使いすぎてしまうことはありませんでしたか?

日々お金の記録をつけることで、自分が使ったお金を意識するようになり、自然と自制につながりました。3年続けていたら、日々のお金の利用を意識したり、固定費を削減するようになり、お金が貯まりはじめたんです。

特に、無駄使いをしない意識が強まったと思います。飲み会には人並みに行っていましたし、パートナーと旅行に行くときは私がお金を出していました。一方で、家は寮に入って家賃2万円だし、車は持たないし、スーツは2万円くらいの安いものしか着ていませんでしたね。年収500万円のときに250万円くらい貯まったこともありました。貯金や自社株の売却益をもとに、株を800万円購入。マイナス300万円の下落にもじっと耐え、今では何十倍に。