はじめに
トレンドは引き続き「3D」
――2つ目に挙げていただいた、コロナ以前からのトレンドに乗る選択について教えてください。
前述の通り、日経平均などの指数はコロナ前の水準に戻りました。ただ、コロナショックの時と比べてみた時に、株価が急回復するほど特別に何かが良くなったかと考えてみると、実は何も変わっていないようにも見えますよね。そう考えると、コロナは単にトレンドを「早送り」させただけで、コロナ以前からのトレンドそのものは変わっていないと見ることができます。
――つまり、コロナ以前のトレンドを見て狙いたい株を探すということですね。
はい。私はその視点で見ていて、今は「デフレ、デジタル、脱炭素」に関連する株に注目しています。それぞれの頭文字をとって「3D」です。これらはコロナの影響を受けて注目された分野ですが、コロナ以前からも注目されていました。コロナでトレンドが早送りになったと考えると、例えば、デジタルはDX、非接触、健康などの分野にも視野を広げてみるのも良いと思います。
また、デフレ、デジタル、脱炭素で考えるなら、このうちの2つ以上に関わっている株が良いですよね。例えば、景気敏感株で見るといまは中古車関連が上がっています。中古車はデフレ関連で、その中でDXに取り組んでいる会社があれば、2つのキーワードにかかっているため、買いやすいと思います。
そのような視点で業績やEPSが上がっている株や、上がりそうな株を探していきます。すると、割安だけど上がらないバリュートラップを避けやすく
なります。企業の本質的価値を見て、それに対して株価が安いものを狙うVE(バリューエンジニアリング)投資法も活用しやすくなると思います。