はじめに

チームの売上が伸びず今月も目標達成が難しい。メンバーのテンションは下がり、どんよりした雰囲気が職場に蔓延、さらに売上が落ちるという悪循環にハマりそう……。そんなときチームリーダーはどう振舞えばいいのか。チームとメンバーを救うには、どんな行動が求められるのか。

「リピート率9割」の営業研修トレーナー、伊庭正康氏に、ピンチを乗り越えるためにリーダーがとるべき行動を聞きました。

※本稿は伊庭正康『目標達成するリーダーが絶対やらないチームの動かし方』の一部を再編集したものです。


業績の悪いときこそ「意見の交換」を絶やさない

【真面目なリーダーほど注意すべきこと】
「目標達成に向けて、ストイックに仕事をし続けることは当たり前」──そんな風に考える真面目な人ほど、リーダーになった際には注意が必要です。

リーダーが目標達成にこだわりすぎると、部下は伝えたいことが伝えられづらくなり、「息苦しい職場」になってしまうものです。

仕事熱心なある上司の部下から、次のような話を聞いたことがありました。

「自分のやることを全部やったら、お客様に電話をしているフリをしています」と。

ストイックなリーダーがいる職場では、頑張っていると見えるように、仕事をしているフリをすることが横行してしまいがちなのです。

生産性向上に大きく寄与する要因として注目されている「オープネス」という考え方があります。

誰が、何を言っても許される職場、そんなオープンな職場こそが、最も生産性が高いというのです。実際にグーグルの調査では、リーダーシップの有無より、「なんでも言える」環境こそが、生産性向上に寄与すると実証されています。

まず、業績の悪いときこそ、がむしゃらに仕事をさせようとするのではなく、対話を増やしてください。

対話から、リアルな現状や、何を講ずるべきかが見えてくるでしょう。

業績が厳しいときこそ「ジョブクラフティング」を!

「ジョブクラフティング」という考え方をご存じでしょうか。

仕事のとらえ方を変えることで、今までいやいや取り組んでいた仕事が「やりがい」のある仕事に変わる、という理論です。

業績の厳しいときほど、「やらされ感」が蔓延してしまうもの。

そこで、このジョブクラフティングを、業績の厳しいときにこそ、取り入れるのです。ジョブクラフティングでは、「やりがい」を持つためには、次の3つの要素が必要とされています。

1.貢献実感………誰に貢献しているのかを把握する
2.かかわる人……仕事でかかわる人の数を増やし、対話を増やす
3.アレンジ………仕事を自分なりに工夫してアレンジする

業績が厳しいときこそ、メンバーを集め、仕事のとらえ方を変えるためにミーティングを開いてください。

数字の確認だけではなく、直面している目標を達成しないといけない意味、つまり今の努力が「誰のため」になっているのかをリーダーが語るのです。

営業や販売なら顧客のためですし、間接部門なら、関係するセクションを強くするためでしょう。また、ほかのメンバーとかかわりながら、さまざまな意見を確認し、各メンバーが自分の仕事をアレンジする場にしましょう。

リーダーがストイックになると、職場の空気は重くなります。業績の悪いときこそ、逆に各メンバーの主体性を高める必要があるのです。