はじめに

遅くとも12月上旬までの接種を!

―そもそも今年はマスクの装着、手洗いやうがいの徹底などがあり、例年以上にインフルエンザは流行しないのではないかという考えもあります。コロナ禍のインフルエンザ流行について注意点はありますか?

村上:おっしゃる通り、今年はインフルエンザが爆発的に流行する可能性は低いという見解を、多くの専門家が持っています。コロナ対策のおかげで、それ以外の感染症もかなり予防できているのが現状です。そのため、「今年は感染症対策も万全にするから、予防接種を打たなくてもインフルエンザに罹るリスクは少ないだろう」というのも一つの考えでしょう。

一方で、ワクチン接種を希望する人は例年以上に多いのも今年の特徴です。多くの病院では、接種を開始した10月初旬時点で、すぐに予約がいっぱいになりました。しかしワクチン自体は今後も供給されます。今、予約が埋まっているとしても今後また予約枠が出るはずまので、その時に接種していただくことをおすすめします。

―まだインフルエンザの予防接種を打っていない人は、遅くともいつまで打てばいいでしょうか。

村上:毎年、インフルエンザが流行るのが12月下旬から3月くらいなので、遅くとも12月上旬までには打ってほしいですね。インフルエンザワクチンは接種後2週間後から効果が有効とされています。そのため、遅くとも流行時期の2週間前までに打っておくのがベストです。

インフルの予防接種を打ったのに、高熱が出たらコロナ?

―大人でも子どもでも、インフルエンザの予防接種を受けて2週間が経過したにも関わらず40℃近い高熱が出たら、やはりコロナを疑ったほうがいいのでしょうか。

村上:高熱が出る病気はインフルエンザやコロナ以外にもたくさんあるため、「40℃の熱が出たからコロナ」と自己判断するのは時期尚早です。

たとえば子どもに多い病気で言えば、アデノウイルス感染症や突発性発疹も高熱が出ます。インフルかコロナという2択ではありません。また、先ほどもお伝えしたように、インフルエンザの予防接種済みでもインフルに罹って高熱が出ることもあります。気になる症状が出ても自己判断せず、かかりつけ医を受診してもらえればと思います。

そもそもインフルエンザもコロナも普通の風邪と似たような症状なので、個人が見分ける方法はなく、専門機関で検査するしかありません。また、子どもがコロナに罹っても重症化する例は極めて少ないことは世界的にも報告されています。検査をしてコロナ陽性が判明した子どもでも、とても元気なケースがたくさんあるようです。

今年の冬はしっかりと感染症対策をしつつ、子どもに風邪やインフルエンザのような症状が出てもパニックになりすぎることなくかかりつけ医を受診してください。

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