はじめに
本場・アメリカのブラックフライデーにならって2016年から参戦しているイオンの「ブラックフライデーセール」。過去4回の開催では、セール期間中の売上が年々増加の推移を辿っています。
今年はあらゆる業界が消費落ち込みに苦しんでいるコロナ禍中での開催です。苦戦が予想されますが、イオン側は昨年度以上の売上を目論んでいるのだとか。一体なぜなのでしょうか。
今年のブラックフライデーセールにおけるイオンの戦略を探ります。
スーツ全品半額は2日間
本州と四国の「イオン」、「イオンスタイル」約400店舗で11月20日から行われるイオンのブラックフライデーセール。今年は感染症対策のため店舗での密を避けるために、開催を10日間に伸ばしました。2018年は3日間、2019年は5日間だったので、大幅な延長です。
さまざまな目玉企画がある中で、「やはり意識したのはコロナ禍における生活様式の変化です」と営業企画本部長の戸部勝義さん。自転車通勤に最適なストレッチ性の高いスーツなどを含むビジネススーツ全品半額やライトダウン3000円均一など、需要に影響のあった冬物衣料をお買い得価格で取り揃えました。
ビジネススーツ全品半額は例年も行ってきた目玉企画ですが、これまでは半日限定の開催でした。多くのビジネスマンが4着、5着のスーツを抱えてレジに並ぶ姿が賑わいを見せていましたが、今年は密を避けるために11月21、22日の2日間の開催に。
各店舗における混雑緩和対策も万全で、たとえばイオンスタイル品川シーサイドではお客さん同士が交差しないよう一方通行に制限します。試着室やレジに並ぶ際にもパーテーションで区切られ、20組を超えた際には整理券を配布するといった対策を行います。