はじめに
日経平均3万円の根拠
さて、過去を振り返るのはこのくらいにして未来に目を向けましょう。少し早いですが来年の相場予想を述べましょう。筆者は来年の日経平均は3万円に達すると予想します。
まず、来年の株価は上がるでしょうか下がるでしょうか?来年はコロナで苦しんだ今年よりは良い年になるでしょう。ワクチンが普及し経済活動が戻れば景気も業績も今年よりは良くなるはずです。であれば株価は上がる公算が高いと思われます。
過去50年間(1970~2019年)で日経平均が年間で上昇した年は32回あり、その平均上昇率は約20%でした。
次に、日本の景気は4~6月で底を打ったとみてほぼ間違いないことから、来年は「景気が底をつけた翌年」となると思われます。過去50年間で日本の景気循環における景気の谷は9回認識されており、景気が底をつけた翌年の日経平均の変化率を平均すると22.5%でした。
これらのことから来年の日経平均の上昇率を20%と仮定しましょう。日経平均は既に2万6,000円の大台をつけていますが、今年の年末の株価を2万5,000円と慎重に想定しても、20%の上昇率を当てはめれば日経平均は3万円に達する計算になります。
アナリスト予想の平均であるクイックコンセンサスによれば来期日経平均の予想EPS(1株当たり利益)は1,560円です。3万円とすればPERは19.2倍。バリュエーション面からも無理のない想定ではないでしょうか。
<文:チーフ・ストラテジスト 広木隆>