はじめに

国民保険は「任意加入だった時代」がある

③ 60歳定年でリタイアを考えている人にお勧めの方法

(1)国民年金の任意加入制度で老齢基礎年金を満額にする

国民年金は、20歳以上60歳になるまでの40年間加入することになっています。したがって、サラリーマンだけでなく自営業やパートの人、無職の人や学生も加入義務があり国民年金の保険料(令和2年度は、月当たり1万6,540円)を納めることになっています。

ところが、1991(平成3)年3月までは20歳以上でも学生は国民年金に任意加入であったため、多くの人は保険料を納めていませんでした。「会社に就職してから保険料を納めはじめた」という人が大半です。学生時代に保険料を納めていなかった人は、65歳からの老齢基礎年金が満額にはなりません。

そのような人は、厚生年金に加入していなければ、60歳以降も国民年金に任意加入できます。60歳でリタイアした人は、厚生年金からはずれる人も多いでしょう。つまり、国民年金の任意加入の資格者になります。年金額を増やしたい人は、任意加入の手続きをして老齢基礎年金を満額にしましょう。

(2)付加保険料も納めて年金額を増やそう

国民年金に任意加入する場合、付加保険料も納めることをお勧めします。

付加保険料の月額は400円です。付加保険料を納めると老齢基礎年金の額に月当たり200円の付加年金が加算されます。たとえば2年間付加保険料を納めると総額9,600円(400円×24月=9,600円)納めることになりますが、年金額が毎年4,800円増えますので2年で元が取れるのです。老齢年金は終身受け取れますので、長生きすればするほど得になります。


以上、年金制度は複雑ですが、知らないと損すること、知っていると得することがたくさんあります。1963(昭和38)年にわずか158人だった日本の100歳人口は、2019年7万人に到達したと思ったら今年は8万人と、1年で1万人も増えています。「人生100年時代」、終身受け取れる年金をどのように増やすかは大事です。老後の三大不安のひとつである「お金」について、老後の年金を増やすことによって、不安を減らしましょう。

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