はじめに
「初心者におすすめの商品は?」「インデックスファンドがいいの?」
こういった疑問は、投資を始めた人がまず抱くものではないでしょうか。2020年10月22日、オンラインセミナー「投資未経験者向け フツーの人にとっての資産運用とは?」が開催されました。
日興アセットマネジメント株式会社グローバルマーケティング共同ヘッド兼マーケティング部長の今福啓之氏が、自身の資産形成を題材に、参加者から寄せられた質問に答えます。
聞き手は株式会社マネーフォワード取締役兼Fintech研究所長の瀧俊雄です。本記事ではその内容を一部抜粋・編集して紹介します。
投資初心者におすすめのファンドは?
瀧: あと2つ、参加者からの質問に答えましょう。「どういった商品がおすすめですか?」、「インデックスファンドがいいですか?」。いかがでしょうか。
今福:ある程度年齢が上で、まとまった資産をお持ちの方には、家づくりに模した考え方をおすすめします。
まず大事なのは流動性と安心感のための預貯金。建物の基礎にあたる部分です。数ヶ月分の生活費を預貯金で持っておく。そして残った分は、バランスファンドと呼ばれる株式と債券とREITなどをパッケージ化している投資信託に充てる。これは土台にあたる部分です。商品によって株式や債券などの配分比率は異なりますが、株式の比率が50%くらいあるバランスファンドがおすすめです。
更にその上に、給与などフローのお金を用いて株式100%の投資信託を積み立てで買っていく、トッピングしていくことをご提案したいと思います。
次に、インデックスファンドについて説明します。代表的なS&P500や日経225に連動するインデックスファンドに投資するということは、全産業の中の代表している会社の全株を買ったときの平均値に投資することになります。
平均ですから、中長期的に成長が見込めない産業や企業も買ってしまう。今後有望な産業と苦しい産業の二極化は広がる一方のはず。さらにその中での企業の格差も広がるでしょう。そうした根幹部分を一切何も考えずに、「全平均」に連動するインデックスファンドの中でのわずかな手数料だけでファンドを選ぶ風潮は、かなり歪んでいると思います。
ただ、iDeCoや企業型確定拠出年金、つみたてNISAはインデックスファンドしか選べないものが多いので、そうした制度活用は世界株式などのインデックスファンドを用い、プラス自分の給与などのフローでは成長産業に狙いを定めたファンドを複数本、自らで惚れ込んで買っていくようなスタイルがいいと思います。
インデックスファンドはコストが低いことで注目され、どの商品のコストが低いかという話題が最近Webや雑誌などでよく取り上げられていますが、結局のところ、その指数以上にひとり上がることはありません。
それよりも、世界株式インデックスがこの10年間で約2.5倍になっているのに対し、マネーフォワードが属しているようなフィンテック業界のグローバル企業の株価は、平均値で見ても約5.2倍になっている。この差こそ、本来知っておくべきだと思います。
瀧: 本日は本当に良い話を頂きました。ありがとうございました。
今福:ありがとうございました。