はじめに

日本企業が強いクリーンテック

一方、日本企業が強みを持つのが、水処理などにおける個別の技術であり、クリーンテック(cleanとtechnology)として注目されています。

特に、日本のお家芸が海水淡水化や汚水の再利用に用いられる水処理膜です。RO膜(逆浸透膜)は1968年に東レが研究に着手し、2001年に実用化されました。直径約0.1ナノメートルの穴の開いた膜で、ポンプで圧力をかけて水を押し出し、塩分や泥などの不純物を取り除きます。

日本の東レ、日東電工、東洋紡の3社が世界で高シェアを握っています。他にも、市場規模が大きい上下水道や産業用水・排水の分野でノウハウを持つ企業や、日立製作所のように、水インフラにIoT(Internet of Things)やAI(人工知能)を活用しようと取り組む企業もあります。

投資先の水の使い方も確認しよう

最後に、投資の際には、投資先企業の水の使い方にも注目しましょう。ESG投資(環境、社会、ガバナンスの観点から企業を分析し、投資する)の広まりにより、特に、水を使う鉄鋼や化学、紙・パルプ等の業種や、水源の保全が欠かせない食品や飲料等において、生産拠点の水リスク評価や節水、リサイクル率などの開示が行われるようになりました。詳細は、統合報告書(アニュアルレポート)の非財務情報やサステナビリティレポートに掲載されています。

世界では、今後、人口増加や気候変動を受け、水不足が深刻化することが懸念されています。ユネスコ(国連教育科学文化機関)によると、2050年には予想される世界人口100億人のうち半数の50億人が水不足に陥る可能性があるそうです。SDGsの2030年までに「安全な水とトイレを世界中に」の目標達成のためには、水に知見のある国や企業の率先した取り組みが欠かせません。

<文:投資情報部 ストラテジスト 金森睦美>

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