はじめに
老後資金の不安は、「働く」ことで解消を
高齢化社会に対応するために、来年4月から定年年齢は70歳にすることが努力義務となりますし、より長く働ける社会に変わっていくと考えられます。厚生年金も、今までは65歳、70歳に年金額を確定させてきましたが、2022年から随時改訂となりますから、働いてかけてきた厚生年金額が、すぐに反映されるようになります。
給料は現役時の5〜8割と企業により差がありますが、収入がないよりは良いはずです。また、常勤が難しいのであれば、短時間で働く、アルバイトなどで働くということも選択肢に挙げられます。ご自身の老後資金とその不足額の状況に応じ、働くことを検討してください。
今からでも、老後資金を増やす策を取る
また、もう一つできることとして、老後資金を増やすことを検討してもよいと思います。今は現金で1200万円を保有していますが、今の金利から言うと増えることはありません。そうであれば、時間(運用期間)もあるのでインデックスファンドで積立投資をするなど、運用することを検討しても良いと思います。
と言うのも、現状60歳までしか賭け金を拠出できないiDeCo(個人型確定拠出年金)が、2022年5月から65歳までに引き上げられます。60歳で国民年金に40年加入済みの人はそれ以後iDeCoに拠出していくことはできないのですが、厚生年金に加入していればその40年という括りに関係なく、拠出を続けられるのです。受けられる税優遇は同様で、拠出額が全額所得控除、運用益が非課税、受け取り時の所得控除が受けられます。そして、運用可能期間は75歳まで延長されるので、節税しながら老後資金を貯めていけるのです。
また、引き出せない資金づくりでは心配だと言うのなら、つみたてNISAを利用したり、普通に課税口座で積み立てることも可能です。積極的にお金を増やすと考えずとも、インフレリスクによるお金の目減りを防ぐために始める気持ちで良いと思います。
職を離れてから気づくよりも、いま気がついたことはラッキーであったと思います。気がついた今からできうることに取り組み、不安を最小限にした状態で老後を迎えていただけたらと思います。
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