はじめに

銀行がキャンペーンで預金を集める理由は?

正直言えば、銀行にとって預金はあまり必要ではないと言えます。もちろんまったく不要ではありません。

預金としてお金を預かり、融資し、利息を付けて返してもらい、満期には金利を付けて顧客に返す。これを「金融仲介機能」といい、金融仲介機能があるから銀行などは金融機関と名乗っているのです。

預金がなければ融資もできませんし、銀行から預金がなくなるということは破綻を意味します。しかしながら、現在の低金利下では金融市場から低コストで資金調達できます。

ですから、預金を集めることはそこまで重要ではありません。では、なぜ銀行はキャンペーンをしてまで、預金を集めるのでしょうか?

儲かるタネを集める

儲かるタネを集めるためです。預金を投信や保険などに投資させれば、販売手数料で儲けられます。そこで、銀行が預かっている預金をこうした投資に振り向けようと勧誘するのです。

これは私が銀行に入社した30年前、バブル期の銀行窓口では、満期になった定期預金を引き出しに行くと、「ちょっと待って、定期金利を上乗せしますので、解約しないでください!」と言われました。

ところが今では、「定期預金なんて金利が低いからもったいないですよ。実はおすすめがあるのですが」と勧誘されます。このようにして、定期預金を投資に振り向けていくと、どうしても預金が減少してきます。

そこで、他行の満期預金を集めるためキャンペーンを展開するのです。

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