はじめに
上場している飲食業にプラスな面とは?
上場会社の場合、いきなりステーキのペッパーフードは業績が悪化しましたが、資金調達はできました。一つは、儲け部門であったペッパーフードをファンドに売ったから。もう一つは、新株予約権でエクイティファイナンスをしたからです。上場企業は、最後は株券を刷ればお金を調達できちゃうので、彼らはファイナンスで生き残れるチャンスがあります。
反対に、未上場の店舗出しているようなところが一番きついのではないかと思
います。もっと小規模になり、家族だけでやっているようなお店は、もともと家賃も安くて、従業員の給料もどんぶり勘定のようなところであれば、なんとか耐えきれるんじゃないかと。
また、上場企業にプラスと思われるのは、これで需給が締まるからです。体力の弱いところが淘汰されて、オーバーストア(需要より供給が過剰になるほど出店している状況)が収まります。そうすると、飲食で生き残るのは上場企業かなと。
飲食業も今後は、より機械化されていくと考えています。機械化の主なメリットは、料理のクオリティアップと、人件費の削減。上場企業になると設備投資ができるので、食品用の機械もさまざまな種類があります。
例えば吉野家では、ティーサーバーみたいなもので味噌汁を出しているんですよ。極東産機という会社がその機械を作っていて、お湯を入れて一杯ずつ味噌汁にするんです。今までは味噌汁を鍋で作ってよそっていたのが、この味噌汁の機械だと、味噌汁が1人分ずつできます。でき立てのほうがおいしいし、無駄がないので、結構機械化が進むんじゃないかと思います。
とん汁とかも作るのであれば、デリカフーズという会社が作っている途中までゆでてあるカット野菜を使って、具材をじゃかっと機械に入れて出汁と味噌を入れれば、「とん汁ができちゃった!」と。一部機械化するというスタイルも、より浸透していくのではないかなと思います。
機械とか設備投資をするには、やはり上場企業のほうが資金調達もできるので、「上場企業の飲食が倒産まで行くことはなかなかないのでは?」と楽観視しています。
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