はじめに
洋上風力の発電能力は19年の8倍へ
ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスは、太陽光発電と風力発電が50年頃までに世界の電力量の56%を占めると予測。更に今後30年間の新電力容量への投資額15.1兆ドルの内80%が再エネや蓄電池に充てられるとしています。
風力発電は、比較的低コストで、変換効率が高く、夜間も発電可能といった面から有望視されています。しかし、陸上での適地が限定されているため、今後普及拡大が期待されるのが洋上風力発電です。
洋上風力発電では、陸上に比べて発電機の設置本数が大規模となるため大容量の出力が可能となります。IEAの調査では、洋上風力発電所の1MW当たりの建設投資額は約4億円(1ユーロ=120円換算)としています。事業規模は数千億円にいたる場合もあり、関連産業への波及効果が大きいといえるでしょう。
国際業界団体である世界風力会議(GWEC)では、洋上風力の発電能力は30年までに19年の約8倍にあたる234GW(1GW:ギガワット=1000MW:メガワット。原発1基で1GW相当)に増加すると予想。中国や日本を含むアジア、欧米がけん引する模様です。なお、風力発電拡大により、今後10年間に90万の雇用が創造されるとしています。