はじめに
11月の暴騰に乗れなかった
これで新型コロナウイルスの感染拡大が終息したわけでないと悲観的に見ていた人も、この後の上昇に乗れずに失敗をしたことになります。その典型的な例がこの11月の暴騰です。
筆者もここでは新型コロナウイルスの拡大が続いているのだから上がるはずはないと思い、大失敗をしました。ただ、途中からは急騰しても急落しても良いようなポジションに変えていたので、最後は事なきを得ました。
「だろう」で投資をすると失敗をする
今年は結果的には日経平均が29年ぶりの高値という水準まで上昇したわけですから、投資をしていた人は大きな利益になったということになります。ただ、実際には3月の暴落と反発、6月から10月までの保ち合い(もちあい)、そして11月の急騰というように大きな波乱もあり、失敗した人も多かったと思います。
もういいだろうと思っているとまだまだ下がり、まだまだ上がるということが多かったのです。そして、保ち合いの時も「まだまだ保ち合いが続く」と思っていたらいきなり11月になって急騰となりましたし、「もう下がりそうだ」とか「もうそろそろ上に抜けても良いころだ」と思うと、保ち合いが続くというようなことも多かったと思います。
相場は常に行き過ぎる
「もうはまだなり、まだはもうなり」という格言がいまだに使われるように、相場は常に行き過ぎるものです。上昇すればこれでもか、というところまで上昇しますし、下落するともういい加減にしてくれ、というところまで下がることが多くなります。相場の神様がとても意地悪なので、皆が思った方向にはなかなかいってくれないことが多いのです。
ですから、「もう」「まだ」という言葉を使うときに「だろう」を使わないような投資をすればいいと思います。3月の暴落時も暴落が始まったときに「押し目だろう」と考えず、かといって「下落の始まりだろう」とも考えない「下落した」という事実を踏まえ、「ここまで下落したら下落の始まりと考える」ことが大切なのです。
つまり、「だろう」ということではなく「下落する」と行動を決定してしまうのです。そうすれば、「押し目と思って高いところで買ってしまう」という失敗をせずに済みます。むのです。 いったん底値を付けてから戻す過程で「もういいだろう」ではなく「もういいところだ」と決定できるところで買うことが大事です。