はじめに
「やらないことを決める」ことから始める
変化の激しい環境の中では、新たな意思決定の場面に遭遇することも多く、その都度やることを一から考えていては大変です。やらないことをあらかじめ決めて、選択肢を少なくすることで意思決定をよりスピーディーに行なうことができます。
そのために、やらないことを「絶対やらないこと」「できればやらないようにすること」といったレベルに分けて明文化したリストを作成し、「やらないこと」を決めることから始めます。大きな意思決定を行なうときや判断に迷ったときに、そのリストを見直すことで一貫した意思決定を迅速に行なうことができるのです。
・絶対やらないこと
(例)利益重視により従業員に過大な負荷がかかる業務を推進する
・できればやらないようにすること
(例)準備期間を長く要する新規事業を行なう
必要ではないと判断したときは「やめる」勇気が必要
これまで行なっていたことが、「やらないこと」に当てはまった際は、続けか/やめるかといった意思決定が生じます。
「やめる」という意思決定は非常に重要で、かつ難しいものです。例えば、新たな部署に異動になったとき、前任者に気をつかうあまり本来は続けるべきではないと思っている業務も、やめるにやめられないといった状況は数多く存在します。
意思決定の際は見直しのタイミングをあらかじめ定めておくことが効果的です。見直すタイミングが増えるほど、いまの状況が正しくないと思える場面も増え、やめるという意思決定を自然な形で行なうことができるようになります。
間違えても影響を最小限に抑える意思決定を実践することで、やめることによる損失を抑えることができるのです。