はじめに

「ここぞ!」というときは価値観・意志に基づいた判断軸が重要

意思決定は「選択する」ことが最大のポイントとなります。その中でも、何かを達成するために、何かを犠牲にしなければならないトレードオフの選択は難しい意思決定です。

・自分の考えを優先するか/他者の考えを優先するか
・生産を自社で行うか/他社に委託するか
・業務やシステムを標準化するか/カスタマイズするか

このような選択をするとき、無意識かもしれませんが、人は何らかの判断軸をもとに意思決定を行なっています。重視している判断軸を可視化し、環境の変化に合わせて判断軸を定期的に見直すことで、難しい選択が生じたときにもスピーディーな意思決定ができるようになります。

また、重視している判断軸には、「論理的・客観的情報から導かれる冷静な判断軸」と「自らの意志から導かれる情熱の判断軸」の2つの側面があります。

これまでの意思決定においては、客観的な情報をもとにした冷静な判断軸を設定することが重要でした。しかし、これからは冷静と情熱の双方が重要です。特に、「ここぞ!」という局面では自らの意志に基づく情熱の判断軸が大切です。

価値観に沿って直観的に意思決定をしていくことは、いまの時代に沿ったものともいえます。自らの価値観・意志と、それに基づく重視する判断軸を明確にし、冷静な判断軸だけではなく情熱の判断軸をも重視することでトレードオフの選択のような難しい意思決定も迅速に行なうことが可能になります。

また、重視する判断軸は定期的に見直す必要があります。ビジネス環境が変化すると、当然ながら重視する項目が変わるからです。これまでは正しいと思っていた判断軸がまったく意味をなさなくなることもあります。判断軸を適切に定めたうえで、重視する判断軸を定期的に見直すことができれば、意思決定自体も定期的に見直すことになり、結果的に望ましい意思決定ができるようになるのです。

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