はじめに
300万円未満の貯蓄の人が半数以上?
次に、どれだけ親しくてもなかなか聞けない「現在の貯蓄額を教えてください」についての回答結果です。
「100万円未満(41.6%)」と回答した方が最も多く、次いで「1000万円以上(18.3%)」「100万円以上300万円未満(15.1%)」と続きます。
要約すると、100万円未満の貯蓄の4割を含む、300万円未満の貯蓄の人が半数以上である一方、2割弱の人だけが堅実に1000万円以上の貯蓄をしていることになります。
調査の対象者が30~50代と幅広く、就労年数に大きな開きがあること、「実際の貯蓄額」はえてして低く申告する傾向もありそうなので、リアルな平均値を把握することは難しいと考えられます。しかし、意外と多くの方が「老後資金」の確保、「貯蓄」が出来ていないという傾向はよくわかりました。
「年金だけで生活できた」のは今や昔?
調査では、大半の人にとって、限られた収入の中から貯蓄に回せる額が極めて少ないことを感じます。そんな中で頼りになりそうなのが年金です。就労時にコツコツ払い続けた年金ですので、必ずバックがないと困りますが、「果たして本当に受給できるのか」という声は後を立ちません。このことから「2000万円もの老後資金の足しになるのだろうか」と、年金に対して疑念を抱く人は多いと思います。
そこで、「ご自身が年金を受給する際、現在と比較してどのように変化していると思いますか?」と「将来、生活費として年金をどのくらい当てにできると思いますか?」の回答を見てみましょう。
まず年金受給の変化では8割近くの人が「減っていると思う(78.6%)」と回答。また、年金が老後資金の当てになるかどうかでは、3割近くの人が「当てにするつもりはない(29.1%」とすでに諦めモードに。
このことから、以前はよく耳にした「年金生活」というワードはもはや死語であり、これからは年金だけで暮らすことはまず難しいと考えるべきでしょう。やはり老後の資金は働き続ける、投資などで得られるようにし、年金に依存せず確保できるようにするのが賢明です。