はじめに

「なってほしい職業」と「なりたかった職業」は合致しない

ここまでのランキングからは、今の親が子どもに対し、「できるだけ安定した堅い職業について欲しい」と願う傾向が強いことがわかりました。
一方で、その親自身は子どもの頃にどんな職業に就きたいと考えていたのでしょうか。まず「パパが子どもの頃なりたかった職業」を見てみましょう。

1位は今も昔も人気の職業である「スポーツ選手」。これは驚きませんが、注目すべきは2位の「ミュージシャン・芸能人」や3位の「電車やバスの運転士」です。

子どもを持つ親の世代は、カリスマ的な人気のミュージシャンや芸能人がカルチャーを強く牽引した時代に育ちました。そのため、子どもの頃はこういった「人前に立つ」職業に憧れを抱くことが多かったのかもしれません。

また、「電車やバスの運転士」は今も昔も男児には憧れの職業ではあるものの、先の見えない今は「憧れの職業よりも安定の職業だ」と考える親が多いのか、前述の「(親が考える)男の子になってほしい職業」ではランク外になりました。

時代背景なども反映されるでしょうが、親が考える「子どもになってほしい職業」と「自分が子どもの頃になりたかった職業」は必ずしも合致するわけではないようです。

ママが子どもの頃なりたかった職業は?

次に「ママが子どもの頃なりたかった職業」を見てみましょう。

1位に「ケーキ屋さん・パティシエ」、5位に「お花屋さん」、6位に「芸能人(アイドル・女優・モデル」。いかにも女の子らしい職業が上がりましたが、一方で2位に「保育士・幼稚園教諭」、3位に「教師」と堅実な職業がランクしていることも見逃せません。

男性に比べ、女性は現実的な考えをする人が多いからか、かつて「なりたかった」職業に、堅実なものを挙げた人が多いのではないかと思いました。

かつては、「私はできなかったから、子どもにはなってほしい」と願い、自分が憧れた職業を押し付けるような親もいました。大半は「子どものため」というより「自分のため」であり、そこで親子の考えが合致すれば良いですが、そうでない場合は、子どもはとても辛い思いをします。

それに比べれば、今の親が回答した前述のランキングは実に冷静で、自分のエゴよりも子どものことをよく考えた結果ではないかとも感じました。

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