はじめに

最近ブームのFIREって?

早期リタイアを、最近ではFIRE「Financial Independence(経済的自由), Retire Early(早期退職)」と呼び、ひとつのブームになりつつあります。

基本的なFIREの条件は、生活費の25倍の資産をもち、資産運用をしながら資産の4%をとりくずして生活すれば、恒久的に資産が枯渇する可能性が極めて低くなるというものです。

これは、米国のトリニティ大学の研究で、退職後も株式と債券を半々で運用しながら、4%未満に取り崩す金額をコントロールすれば、高確率で30年以上資産を維持できる(または高い確率で資産が増える)という調査結果に由来しています。アメリカの場合は物価上昇率が2〜3%程度あるので、資産を6〜7%で運用していけば差分の4%程度は取り崩しても理屈上は資産が減らないということになります。

資産の25倍を計算するには家計の把握を

それでは、ご相談者さまの生活費をみていきましょう。手取り収入が69万円で、8万円の貯蓄ができているということから61万円の支出となります。また、ボーナスが280万円に対して20万円の貯蓄ということは、260万円がなくなっています。

この計算だと、61万円✕12カ月+260万円=992万円を使っていることになります。一方で、40万円の支出と書いてあるので、こちらをベースにすると、40万円✕12カ月+260万円=740万円の支出となります。

おそらく、なんとなくしかご自身の家計が把握できていない状況だと思います。この状態では生活費の25倍がいくらなのかを正確に把握することは難しいでしょう。まずは家計簿アプリを活用して、ご自身の支出の把握をすることからはじめてください。支出額が正確に把握できなければ、どのように資産形成できるかも曖昧になりますし、使いすぎている改善ポイントも不正確になってしまうからです。

どのあたりが節約ポイント?

仮に月に40万円の支出とした場合に、節約ポイントは、

・保険料3万円 ・通信費2万円 ・おこづかい10万円

となります。お子様がいらっしゃらないので、保険料はほぼ不要と思います。医療費は貯蓄の中から一部を医療費用として管理できれば、保険で備える必要は無いです。死亡保険も奥様が専業主婦で、なにかしら働けない理由が無い限りは遺族年金と奥様自身の労働によって生計をたてられると思います。また、住宅ローンを抱えてらっしゃいますが、団体信用保険に加入しているようであれば万が一の際は住宅ローンもなくなります。

通信費についても、携帯代金を格安SIMに変更しWi-fiなどのネット回線代も見直せば、夫婦2人分で1万円代前半にできるでしょう。

そして、おこづかいの10万円には、

・衣服美容 ・日用品費 ・健康医療 ・趣味娯楽
・旅費交通費 ・教養費(本、新聞、習い事) ・その他費用(手数料など)

などが混ざっているのではと思います。この内訳を把握することで、何にいくら使っているか、そして改善ポイントはどこかが見えてくると思います。

そして、ボーナスの中から貯蓄に回せる金額が20万円とのことですので、旅行や大型の支出があるのかもしれません。このあたりをクリアにしていかないと正確な計画は難しい状況です。ご自身のことを把握することから考えてください。

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