はじめに

持ち家か賃貸か?

住宅ローン返済後に資産化されることを目的に購入を考えること自体は悪くないと思います。ご懸念のとおり、今後、空き家が増えていきますので、住宅の評価額は下がることもありますが、駅近くで日当たりもよく、学校や病院などの環境や立地も良い物件の場合は上がることもあります。

ただし、現状の資産状況では、まだ債務超過状態ですので、住宅ローンなど、新たに借り入れするのはやめたほうがいいでしょう。ご相談者は現在36歳なので、今から35年ローンを組んだ場合、完済が71歳になると思って焦っているかもしれませんが、焦りは禁物です。まずは借金を返済しましょう。それから、現実的に返済可能なローン期間と購入額から物件を検討し、購入価格の10%以上を貯めることを目指しましょう。今後、結婚して子どもが生まれるなどのライフイベントがあるかもしれませんので、住宅購入を決めるのは、家族のフォーメーションが分かってからでも遅くはありません。

また、一生賃貸という選択肢も悪いわけではありません。老後の時期には空室が多くなることが予想されるので、場所にこだわらなければ安い賃貸物件が今よりも多く出てくる可能性にも期待できます。持ち家か賃貸、どちらが良いかは、家に対する価値観をどうもつか次第なのです。

家計改善は保険から

保険については、独身の方が2万円の保険に入る必要はないかもしれません。

医療保険であれば高額療養費制度があるので、ある程度貯蓄があれば賄えます。貯蓄ができていない場合は、保険料を支払うよりも、まず現金を貯めることが優先です。また、万が一のことがあったとしても、独身であれば死亡保険や終身保険で誰かの生活を保証する必要はないのではないでしょうか。

もし貯蓄系の保険に加入しているのであれば、解約し、解約返戻金を車のローンを返済していくのもいいでしょう。おそらく貯蓄系保険の資産増加率より、カーローンの利率のほうが高いと思われます。解約返戻金がどれだけ出るのかも確認し、検討してみてください。

資産形成したいのであれば投資で、万が一の際に家族の生活を守りたい場合は保険で、数年以内に使う費用は貯蓄で対策するのが効果的です。それぞれの手段を混ぜてしまうと、どうしても効率が落ち、高い手数料を払うことになるので注意が必要です。

また、「その他」の費用が5万円あります。衣服美容、医療、交際費、趣味娯楽、特別費などと思いますが、家計簿アプリを活用してできるだけ内訳を可視化していきましょう。使いすぎているポイントがわかれば家計を改善しやすくなります。

お金の優先順位を持ちましょう

現状の状態は、車のローンが非常に大きくのしかかっていますが、一方で家計やキャッシュフローが把握できていないと感じます。まずは家計簿をしっかりとつけることで現状を把握することと、将来をどのようにしたいのかを見定めることが大事ではないでしょうか。

車が大事か、家が大事か、老後の資産を作ることが大事か、結婚資金などを貯めておくことが大事か、仕事でもっと活躍するための自己投資をすることが大事か、色々な尺度で考えてみて、お金を使うプライオリティ(優先順位)を持ってください。お金にコントロールされるのではなく、しっかりと考えてお金をコントロールしていきましょう。以上、少しでも参考になれば幸いです。

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