はじめに
100年の歴史を持つ和菓子屋「デジタルマーケティング」への挑戦
中浦屋は創業110年を迎える老舗です。4代目社長である中浦政克さんは、「ふるさと副業」のイベントに参加した理由をこう語ります。
「コロナ禍で観光客が激減し、5月の時点で売上が9割減少しました。オンラインショップは以前から開設していましたが、本格的な整備はこれまで先送りしていました。しかし、売上をカバーするためにネット販売を強化する必要に迫られました」(中浦社長)
ECの専門家の知見が欲しいと採用を開始しましたが、本社が能登半島北部という立地もあってか、なかなか専門知識を持つ人が見つかりませんでした。そんなとき見つけたのが『ふるさと副業』のイベントです。専門性を持つ人が副業でも興味持ってくれたらと、イベントに参加を決めました。
イベントは2020年10月3日、「オンラインワークショップ」のスタイルで開催されました。中浦屋を含む石川県の企業3社が抱える課題に対し、参加者が知見を活かしてアイデアを出し合う、ディスカッション形式で行われます。
当初、副業者を1名採用できればいいと考えていた中浦社長。しかし、自社の「ECサイトの売上拡大」をテーマに繰り広げられるディスカッションを聞いているうちに、「ECサイトの機能を整えさえすればいいわけではない」と気づいたといいます。
「売上につなげるためには、集客の仕掛けも必要です。それには、ECサイトとコーポレートサイトとの連動、デザイントーンの統一、企業ストーリーを伝えるコピーライティング、そしてSNS活用などなど…、リブランディングをパッケージで取り組まなければならないと気づきました」(中浦社長)
結果的に、『デジタルマーケティング』という包括的なプロジェクトを展開するため、松岡さんを含む副業者5名を採用しました。それぞれ、ブランディング、デジタルマーケティング、オフラインとオンラインの融合、Webデザインなど、専門性をもったメンバーです。
さらに、プロジェクトのための新部署として「デジマ次世代創造室」を立ち上げ、2020年11月から本格稼働させました。