はじめに

貯蓄性保険の負担がなくても5年後から貯蓄の取り崩しがはじまる!?

現在、投資資産を含む約2,000万円の金融資産があり、余裕があるように思えます。ただ、ご相談者も心配されておられるとおり、お子様の教育費や生活費があまりかかっていない現時点で、すでに収支がトントンもしくは少し赤字が出ている点が気になります。貯蓄性保険の負担が無かったとして、今後の収支がどうなるのか、まず確認してみましょう。

保険の内訳は不明ですが、仮に、貯蓄性保険の保険料が5万円だとして、年間60万円です。この保険料の負担がなければ、60万円までなら支出が増えても大丈夫ということになります。

来年、第1子は小学校に入学されます。文科省の調べでは、公立小学校の教育費は塾・習い事込みで年間32万円です。現時点で教育費は年間24万円ですが、5年後、お子様がお2人とも小学校に入学されると年間64万円と、今より40万円ほど支出が増えることになります。また、お子様の成長とともに、食費や雑費など生活費も増えることを考えると、このあたりから、貯蓄性保険の負担がなくても、収支はマイナスに転じる可能性があります。

50代半ばで貯蓄も底をつきる!? 貯蓄型保険は「払い済み」にするのがベター

今後、教育費や生活費等の取り崩し以外に、車2台分の買い換えや、給湯器の買い替え、自宅のメンテナンスなどの支出も想定されます。

貯蓄性保険を続けた場合【図1】と、保険料の支払いをストップした場合【図2】で、キャッシュフローはどのように推移するか比べてみましょう。グラフのピンクの部分が貯蓄残高の推移、水色の部分が運用商品の推移を表しています。水色の運用商品は、解約しないと使えない資産の位置づけで、貯蓄型保険や投資商品が含まれます。

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【前提条件】
・生活費の上昇率は、第2子大学進学まで、毎年1.5%上昇、その後は、毎年0.3%とする
・子どもの進路は、高校まで公立、大学は私立理系とする
・あと5年は親からの贈与として毎年100万円を受け取れるものとする
・夫の年収は、55歳まで1%で上昇(ピーク時年収600万円)、60歳~65歳まで400万円、65歳~70歳まで240万円とする
・妻の年収は、第2子小学校入学後~3年ごとに12万円ずつ上昇し、第2子大学入学時(妻57歳)~65歳まで96万円とする
・公的年金は収入から試算した上で、現行制度より2割減額されるものとする
・貯蓄性保険の運用利回りは1.0%、投資商品の運用利回りは2.0%として計算
・【図2】掛け捨て型の死亡保障の保険料月額6千円を65歳まで計上
・一時的な支出として、車(2台分を想定)の買い替え300万円×1回、200万円×3回、家の定期修繕・給湯器の買い替え150万円×3回、水回りの修繕300万円、子供の結婚援助資金100万円×2人分、死亡整理費用50万円×2人分を計上

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