はじめに

お金が貯まらないのは記録しても振り返っていないから?

キャッシュレス決済は記録が残るとおっしゃっていましたが、その記録を全部合わせ、支出の全体像を把握しているでしょうか。

クレジットカードは利用明細を確認できますし、スマホ決済アプリでは利用するとすぐ履歴に記録されます。ですが、その支出の記録は決済方法それぞれにまとまって記録されているだけで、全体的にいくら使っているのかはそれだけで把握できません。

決済の手段が変わったとしても、お金の管理の原理原則は変わりません。何にいくら使っているのかを、支出全体から把握しておくことが必要です。

そして、把握ができたら、支出の内容を振り返ること。キャッシュレス決済を多用し始めると、買い物しやすくなったとか、簡単に支払えるとか、ポイントアップのキャンペーンをやっているから等ということに影響され、買い物の仕方が変わってしまうということがよくおこります。

支出が知らず知らずのうちに増えてしまったという人からは、今までよりコンビニに行く頻度が多くなった、値段を気にせず買うことが多くなったという話を聞きます。ご相談者ご夫婦にはそういう変化がなかったかを知るためにも、支出の内容を振り返ってみましょう。

ポイント狙いの買い物は本当にお得?

またもう一つ振り返って頂きたいのは、「ポイントで本当にお得になっているのか」ということです。

「ポイ活」がはやり、多くの方がポイントを意識して買い物をするようになりました。期間限定でポイントアップキャンペーンなども実施されるので、そのポイントを得るために、いつも以上に買い物をする、高額な買い物をするという人が増えたと感じています。それは決して「必要」といえるものではないので、購入するための言い訳もしっかり考えているという人もいらっしゃいます。

確かにポイントは還元されますが、それ以上に不要な支出を増やしてしまうなら、それはポイント目当ての浪費であると言っても良いのではないでしょうか。

世の中には本気で家計の一部にしようと、毎月数万円のポイントを得る活動をしている人もいます。まるで仕事のように取り組んでいる方々です。そこまで本気に取り組めない人の場合、ポイントを狙うことで逆に損をするということが起こる場合があります。

ですからポイントに期待し、追い求めるのはほどほどに。大きな買い物があるときはキャンペーン時期に購入できるよう待つなど、その程度でよいと思います。くれぐれもお得を狙って損をすることがないように注意しましょう。本当に必要なものなのか、それともややポイント狙いの要素も多いのか、「判断の軸」を狂わせないように意識しましょう。

キャッシュレス決済の支出管理の方法

話はポイント還元にそれてしまいましたが、キャッシュレス決済を利用し、全体像を把握するには、記録をまとめることが大切になります。方法は手書きでもよいですし、家計簿アプリを利用してもよいです。

記録をする場合、支払いツールごとにマークやサインを決めておくと管理しやすくなります。クレジットカードは「C」○○Payは「○P」現金は「☆」もしくは何も付けないなどです。お金を支払うごとに大まかな支出先と支出額をノートに記録し、支払いツールのマークも記入しておきます。それだけで、支出の流れが見えてきます。マークなどは面倒ということなら、支払いツールごとにまとめて記入できる表を作ってもよいでしょう。そして記録をしたら、一定期間ごとに支出内容の振り返りをしましょう。

手書きは面倒という方やご夫婦それぞれが記録したい場合、家計簿アプリが便利です。ご夫婦で共有できますし、対応しているキャッシュレス決済の支出記録が自動で家計簿に転記されるので、キャッシュレス決済に限っては記録もれが生じません。銀行口座も登録すると入出金、口座引き落としも記録されますから、簡単に支出の記録をしたいという場合には便利です。

ですが、記録されているという安心感からか、合計額は見ても細かな支出の振り返りをしないという方も多くいらっしゃるので、記録したら一定期間でその支出の内容を見直すようにしてください。

振り返りをし、いつもより多い支出に気が付いたなら、その支出を改善することで家計はまた元に戻ります。また、今までよりもさらに圧縮し、貯金額を増やせる家計に改善していくことも可能です。ぜひ、キャッシュレス決済の支出の振り返りに取り組んでみてください。

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