はじめに
中国の力強い回復も
(2)中国の順調な景気回復と半導体業界の好調
1月18日に発表された中国の2020年の実質GDP成長率は、前年比+2.3%となりました。その他の主要国がより大幅なダメージを受けたことを踏まえると、中国の経済回復の力強さには目を見張るものがあります。
2021年に共産党の結党100周年を迎えるとともに、第14次5ヵ年計画をスタートさせる中国には、引き続き順調な景気回復が見込まれます。そうした中国の需要回復は、様々な貿易相手国に恩恵をもたらすと予想されますが、とりわけ、経済的な結びつきの強い日本へのメリットが大きいと考えられます。
日本の工作機械受注の伸び率(前年同月比)は、昨年11月からプラスに反転してきていましたが、それは中国向けの受注回復によるところが大きいと言えます。今後、さらに中国景気が上向いていくことで、日本の製造業には少なからぬ好影響がもたらされるでしょう。
半導体も好調
一方、足元の世界経済において特徴的な動きとして挙げられるのが半導体業界の好調です。米国半導体工業会によると、世界の半導体売上高は2020年11月まで5ヵ月連続して前月比で増加したとのことです。
足元では需要が供給を上回り、半導体不足が生じているとも指摘されています。もともと、コロナ下でのデジタル化の進展によって不況知らずの盛り上がりを見せてきた業界ですが、今後もEV(電気自動車)や5G関連投資の拡大を通じて業界の成長が見込まれるところです。この分野に強みを持つ設備投資関連の日米企業には、業績の上振れが期待されます。