はじめに

今後必要な教育費と目標貯金額

複数のお子さんが受験・進学を控えているご家庭は、教育費が家計の大きな負担です。ご相談者の家計は現状赤字ギリギリのため、ボーナスで貯金することを検討されているのですね。ならば、まずはボーナスで毎月の赤字を補てんしない家計づくりが必要です。ただ、家計を改善していくにも今後かかるであろう教育費がいくらなのか知らないと、具体的にいくら貯めてよいかわかりませんよね。おおよその金額を知っておきましょう。

長女が私立文系大学に進学した場合、4年間の学費や学用品代で約450万円見込んでおきましょう。長男も同じように進学すると約450万円必要です。次女が公立中学の3年間で約140万円(学校外活動費も含む)、公立高校の場合は年間で10万円もかかりませんが、私立高校に3年間通うとすると、約300万円かかり、合計約1,340万円(次女の大学も含めれば約1,800万円)は必要になります。あくまで目安にはなりますが、4年後には3人のお子さんの学費が重なってかかることが予想できますので、ここ3年は年間200万円、4年後には300万円が負担できるように検討をしていきましょう。

教育費以外の「固定費」を見直して、貯蓄を目指す

教育費を貯めていくために、支出の見直しをしていきましょう。毎月の手取り収入がご夫婦で57万7,000円に対して支出も同額です。学費に関わる臨時支出があると、すぐに赤字家計になってしまいます。ですから、まず「固定費」から見直しましょう。

自動車関連費が総支出額の約1割を占めております。車を所持することによって、毎月5万3,000円、年間63万6,000円が車検、ガソリン代、駐車料としてかかります。例えば、年に1回15万円を2回、家族で旅行に行く時はカーシェアを利用するだけでも支出が約30万円抑えられます。もし日常からの通勤に利用する以外であれば、車を手放してカーシェアを利用するのも検討してみましょう。

家賃に交渉の余地は?

住居費は、引越しをすることで家賃を下げることも出来ます。しかし、子どもの学区や引越しによって生活環境が大きく変わるため、簡単には引越しはできない場合が多いでしょう。その場合は、マンション住まいであれば、更新の際に「家賃を下げられないか交渉する」余地があります。仮に月5,000円家賃を下げられれば、年間で6万円を貯金にまわすことができます。

近年では、人口減少によって空き家も増えており、大家さんにとっても入居者がいないよりは少しでも家賃が下がったとしても入居してもらっていた方が良いでしょう。賃貸物件の不動産HPを確認して、相場を定期的に確認したりして交渉できないか検討してみる価値があります。

通信費はプランの見直しや家族割を活用して

通信費は、プランの見直しをしてみましょう。格安SIMの携帯会社に乗り換えを検討してもよいですし、大手会社の従来のプランを契約しているのなら、乗り換えるだけでも月々8000円程から月々3000円程まで安くできる可能性があります。ただ、最近は大手会社も安いプランを次々と出しています。携帯電話のプランはまめに検討して、家族間では通信会社を揃えて割引や家族間通話が無料になるようなサービスを利用する方法も考えてみましょう。

家族で話し合って目標と今後かかる費用を共有する

子どもに不自由させずに、かつ老後資金を準備するためには家族の協力が必要不可欠です。子どもたちも大きくなるにつれてお金について考える機会を持つことは大切なことなので、大学進学にかかる費用や学費についても話し合うことも必要です。

長女の大学進学後は、アルバイトをして家庭に収入を入れてもらうのも、1つの方法です。携帯代金や被服代などはアルバイトからやりくり出来るようにすることで、お金の使い方のバランスも身に付けることが出来るようになるでしょう。

また、奨学金の利用も検討も考えられます。教育費の不足が見込めたら、早めに子ども自身と相談し、利用の検討をしましょう。卒業後に返還するので、無理のない返済となるように、シミュレーションなどを活用すると良いでしょう。ですが、奨学金は子ども名義でする借金です。なるべく奨学金は借りずにするために、今から少しずつ家計を改善するのが一番です。

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