はじめに
ブロックチェーンは私たちのインフラになる
2021年は、東日本大震災時の計画停電で大混乱があってからちょうど10年です。今年は年初から記録的な大雪に見舞われ電力不足が問題となるなど、いまだに災害時にも強い電力の安定網が構築できているとは言いにくい状況です。
そのような中、現在普及拡大が見込まれている電気自動車(EV)を電源とし、建物などへ融通する研究に注目が集まっています。需要や供給のデータを安定して管理することが不可欠ですが、そのデータ管理にセキュリティが強固なブロックチェーンが活かされます。
ホンダやGM、IBMなどが参画する「モビリティ・オープン・ブロックチェーン・イニシアティブ(モビ)」は世界標準規格を策定し、主導していく構えです。
金融包摂、食の安全や電力の安定化、など私たちの生活を守るというSDGsの観点からもブロックチェーン技術が応用できる分野は幅広いといえるでしょう。一般にSDGsに対し、ITはコスト低減や幅広い人が利用可能なことから親和性が高いとされます。一方で、企業側は利便性の向上や安心を担保することで付加価値を高めることが出来ます。
インターネット以来の発明といわれるブロックチェーン。社会を支える新たなシステムを生み出す可能性を秘めているといえるでしょう。
<文:投資情報部 金丸裕美>