はじめに
全年収層で約1.7倍にも増えた戸建て購入希望者
次に、住宅購入の際の希望物件の変化を見ていきましょう。
コロナ以前の戸建て購入希望者が25.9%だったのに対し、コロナ禍以降は44.1%に増加、戸建てを希望する人が約1.7倍に増えています。
コロナ禍以降に戸建て購入希望者が増加している理由を推測すると、おおむね以下の4つになるように思えます。
○リモートワークの普及で、より部屋数が必要になった
○他者との接触が避けにくいマンションよりも安心感がある
○新築は税制上の優遇などもある
○建売住宅などの選択肢も多い
マンション・戸建てとも「一生のうちで最も高い買い物」には変わりがないですが、双方の価格や物件条件に大差がないのであれば、戸建てを選ぶ人が増えていることが、このデータからわかりました。
年収300~400万円台で組める住宅ローンは、1725~2630万円
では、住宅ローンを組む際、年収ごとに借りられる額はどう変わってくるのでしょうか。一般に「住宅ローンの借り入れ可能額は年収の7~8倍」と言われていますが、次のデータからは年収ごとに異なる借り入れ額がわかります。
年収300万円台で借りられる住宅ローンは、約5.8倍の1725万円(中央値)。年収400万円台では約6.6倍の2630万円(中央値)。前述の「年収の7~8倍」に及ばない厳しい結果でありますが、年収500万円台以上になると、ようやく7倍以上になります。
これらはあくまでも目安であり、購入物件や金融機関ごとに条件が異なります。仮に同じ年収の場合でも、住宅ローン以外の借り入れ状況と内容は大きく反映される上、雇用形態や勤続年数、単身者には厳しくなるといった様々な要素が入り組みます。住宅ローンには、年収はもちろん社会的信用が強く反映されることに注意が必要です。