はじめに

優れた統合報告書「キリンホールディングス」

具体的にみると、後述する「優れた統合報告書」に選出されたキリンホールディングスは、マテリアリティとして「健康」が最も重要だとし、そのほか数課題を抽出しています。

企業存在価値としては、”私たちは長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027(KV2027)」において、「食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV(企業利益と社会貢献を両立する共通価値)先進企業となる」ことを目指しています。

「酒類メーカーとしての責任」を前提に「健康」「地域社会・コミュニティ」「環境」についての指針の実現に向けて、各事業で「CSVコミットメント」に取り組んでいます。“と表明しています。

4_マテリアリティ(重要課題):キリンホールディングス

日立は納得感のある将来戦略が評価

優れた統合報告書とはどのようなものでしょうか。年金積立管理運用独立行政法人(GPIF)は毎年、国内株式の運用委託機関が選定する「優れた統合報告書」と「改善度の高い統合報告書」を発表しています。

20年は各々延べ71社、91社が選定されました(次頁図表⑥)。以下、GPIFによる、運用機関から選ばれた「優れた統合報告書」へのコメントを抜粋しました。

5_GPIFが選ぶ「優れた統合報告書」

日立製作所(20年に7機関が選出)は、過去の経験を踏まえた収益性向上の施策や社会イノベーション事業への取り組みを説明。ROIC(=投下資本利益率:企業が事業に投じた資本に対して、どれくらいの利益を生み出したかを示す指標)経営・バランスシート戦略など、持続的な企業価値拡大に向けた強固な意志と戦略を理解できることが評価されました。

CEOメッセージやビジネスモデルは分かり易く、マテリアリティもリスクと機会を丁寧に解説し、納得感が高いと評価されました。

先に挙げたキリンホールディングスは、資本コストを超えるROIC目標や取締役の専門性など、より実質に重きを置いていること、「世界のCSV先進企業」を目指し、短期・中長期の取り組みが良くわかる内容であることなどが評価されました。