はじめに

支出の3分の1以上が教育費に消えている

お子さんが4人いるご相談者さんの家計は、今まさに教育費のピークに達しています。長男は社会人となったものの、あとの3人は、長女(大学3年生)、次女(予備校生)、3女(中学3年生)という状態です。

毎月の手取り月収は51万円(夫23万円、妻28万円)ですが、家計の中でも大きな割合を占める教育費から見ていきましょう。仕送りも教育費の一環として考えると、合計18万円になります。すぐに見直せそうもありません。
・教育費:12万円(浪人10万、交通費1万、中学1万)
・その他:大学生仕送り6万円(寮費)

2021年3月は通信費見直しのチャンス

月収51万円から教育費18万円を差し引いた残りは33万円です。ここから出ていく固定費は以下の合計14万5,000円。
・住居費:7万5,000円
・水道光熱費:2万円
・通信費:5万円(インターネット、夫婦、子ども3人分)

金額的に見ると、このなかで見直しの余地がありそうなのは通信費。2021年3月になると以前より予告されていた携帯各社の新料金プランがいよいよ出そろい、動き出します。ご夫婦とお子さん3人の携帯料金プランを格安スマホに見直すなどすれば、通信費が半額の2万5,000円程度に下げられるのではないでしょうか。家族割なども併用して、見直しを検討してみてください。

月収から教育費関連、固定費を差し引くと残りは18万5,000円になります。残りの項目は変動費にあたる以下の3つで、合計18万円。
・食費8万円(現金4万円、クレジット4万円)
・車両費2万円(ガソリン代。車検費用などはボーナスで)
・お小遣い8万円(夫現金2万+クレカ2万、妻現金1万+クレカ2万、子ども2名5,000円と2,000円)

こうしてほとんど貯蓄をする余地もないまま、収入がすべて消えていることが分かります。

記入いただいた項目には「毎月の貯蓄額2万5,000円」とありますが、実際は貯蓄した分が口座からマイナスになり、ボーナスなどから補っている状況だと思われます。もし、通信費を月に2万5,000円見直すことができたなら、毎月2万5,000円の貯蓄がそのまま残せることになりそうです。

ボーナスは年間130万円ありますが、妻の保険10万円や車検代などがボーナスから出ていきますし、貯蓄や生活費の穴埋めとして消えていると思われます。

教育費の自転車操業はまだまだ続く

では、この教育費のピークはいつまで続くのでしょうか。こちらのライフプラン表を見ながら一緒に考えていきましょう。

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2021年4月からは、次女が大学生になります。受験費用や入学手続きなどで春先は出費がかさみますが、自宅通学で学費はすべて奨学金を利用する予定ですから、その後は家計からの持ち出しは無くなり、今まで支払っていた塾代10万円と交通費1万円が不要になります。一方、3女は高校に入ったら新たにスポーツをやる予定で毎月2万円の出費が増えます。差し引きすると、この年は月額9万円のプラスとなり、年間約108万円が貯められる計算となります。

2022年4月からは長女が社会人になります。毎月6万円の仕送りもなくなるのでほっとするところですが、ここから奨学金の返済が始まります。長女の借入総額は月額13万円×12カ月×4年間=合計624万円。これを本人がすべて返済するとなると、毎月約2万7,000円を20年間にわたって返済することになりますが、第2種奨学金についてはご夫婦で全額親が返してあげるつもりでいます。ここでは、次女の塾代が不要になってうまれた年間108万円を元手に、100万円×3年間で繰り上げ返済を終えることにしています。

2025年4月からは、次女が社会人になります。ちょうど長女の第2種奨学金が完済できたところなので、今度は次女の奨学金返済を100万円×3年間で行います。次女の第2種奨学金返済はこのプランだとご主人が59歳の年に完了します。

一方、2024年4月からは、3女が大学生となります。長女、次女と同じ進路をたどる場合、やはり月額12〜13万円の奨学金利用となるところですが、3女については第1種奨学金料だけにとどめます。ちょうどこの年に住宅ローン返済が終わるので、そのお金を教育費に充当していくと、第2種奨学金を借りなくて済むことになります。

このようにすると、ご相談者さんが59歳、ご主人が60歳になる年に、親としての奨学金返済義務を残さずに、3女が大学を卒業することになります。

このようにしていけば、かなりの自転車操業ではありますが、ご希望通り、お子さんたちの大学進学を叶えつつ、共働き期間中にお子さんたちの奨学金返済を繰上げ返済してあげることができます。

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