はじめに

実績好調な企業業績

10~12月期の企業決算を振り返ると、日米ともに実績は良好であったと総括できます。米国については、S&P500ベースの当該四半期の増益率(前年同期比)が2/26時点で+4.2%と、4四半期ぶりに増益に転じました。決算発表シーズン直前の市場予想では、10%を超える減益が想定されていただけに、大幅な上振れ着地といえます。

一方、日本については、大和証券が集計対象とする主要上場企業171社(金融および通信を除く)の経常利益が前年同期比で+8.9%となりました(2/12時点)。こちらも4四半期ぶりの増益であり、製造業を中心として、足元の業績に明るさが戻りつつあることを示しています。

こうした日米企業業績の良好な実績は、先行きの見通しに対する期待を高め、市場の業績予想の改善につながっています。また、米国では今後も大規模な景気対策の発動が、企業業績拡大の追い風となる可能性があります。

米国に後れを取る形で回復してきた日本については、業績回復のポテンシャルも、その分大きいといえるかもしれません。いずれにしても、12ヵ月先までを見越した日米の予想利益(EPS)は、着実に切り上がってきていることは事実です。

株式市場の一部では、短期間での株価上昇に過熱気味との警戒感がくすぶっているようですが、ファンダメンタルズの改善に支えられた現在の株高に、そこまでの割高感はないように思われます。

12ヶ月先予想EPSをもとに計算した日米の予想PERは、米国(S&P500ベース)が21倍台で、日本(TOPIX)が17倍台です。昨春のコロナショック後の予想PERの推移から考えて、レンジ上限としては、それぞれ23倍台半ば、18倍強あたりに一つの目安が置けそうです。

その上限を大きく超えて株価上昇が続くようなら、いよいよ相場の過熱を意識する必要がありそうですが、現状ではそこまでに至っていません。相場急落で株式市場がいったんクールダウンしたことを考えれば、なおさらです。当面は、市場の業績予想の切り上げが、予想PERの上昇を抑え込むと見られ、足元の株価水準は十分に正当化されるでしょう。