はじめに

中国の全人代に注目

中国で最も重要な政治日程の1つである全人代(全国人民代表大会)が、3/5から北京で開催されます。そこでは、経済政策の基本方針となる2025年までの新たな「5か年計画」と2035年までの長期目標について話し合われる見通しです。

一方で、2021年の短期の成長目標については、昨年と同様に具体的な数値が示されないとする見方もあります。中長期の中国経済は、内需拡大を基本に世界経済とも連携する「双循環」戦略を推進していくことが明らかにされていますが、その詳細が今回の全人代でどのようなかたちで発表されるか注目です。

環境政策のように、投資テーマに直結するポイントもさることながら、米国との経済的な衝突を避けつつ、中国がどのような中長期の成長シナリオを掲げるかは世界中の市場参加者が関心を寄せるところです。

3月の株式市場では米国に加えて中国の経済対策への期待から、リスクオンムードが醸成されやすいと考えられます。その結果、年度末に向けた株式相場は強基調を維持することが想定されます。

景気敏感株の物色が続く可能性も

2月の世界の株式市場では、景気敏感株の物色が鮮明となりました。今後の展開をイメージすると、しばらく景気敏感株の物色が継続しそうです。先述のとおり、新型コロナの感染拡大が一服する中で、ワクチン接種の広がりは、景気回復の思惑を先行させやすいとみられるためです。

また、米国での追加経済対策の成立に向けた動きは、同様の効果をもたらすと考えられます。これまでは、ハイテク株の上昇に依存するかたちで上昇してきた株式相場でしたが、これからは景気敏感株の挽回による底上げによって、市場全体がもう一段水準を切り上げる可能性があります。

「全員参加型」の相場上昇で、NYダウの3万ドルや日経平均株価の3万円は一つの通過点として位置付けられるかもしれません。

<文:チーフグローバルストラテジスト 壁谷洋和>

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