はじめに

できていることにも目を向ける

相談内容にシミュレーションと書かれているので、相談者はおそらくキャッシュフロー表を作ってみたのでしょう。今後の収入と支出の予測を表に整理し、エクセルなどの表計算ソフトでグラフ化してみたのかもしれません。貯蓄が増えたり減ったりするので、どの時点の数字を見て合格点を出せばいいのかわからなくなっているように見受けられます。

お知らせいただいた情報を拝見すると、毎月、手取り額の10%を貯蓄しています。子どもの生活費や教育費がまだそれほどかからない時期なので、月の貯蓄割合は20%程度を目指してほしいところです。ただ、ボーナスを含む年間貯蓄率は34%となっていますから、ボーナスをアテにしてよい勤務先であるのなら問題は無いでしょう。この調子で貯蓄を続けるとともに、その一部を運用して増やしていけば、いわゆる人生の三大資金や日々の生活費に大きく困ることはなさそうです。

貯蓄に対して投資の割合が大きいと思われている点は、現状通りに貯蓄していくと投資の割合は小さくなりますから、現状では利益の確定にこだわらなくてもいいのではないでしょうか。投資の中身のリスクが高すぎるようであれば、投資内容の見直しはした方がいいでしょう。

楽観的過ぎて未来のリスクを見通さないのも困りものですが、できていることにもきちんと目を向けて心配し過ぎないようにしましょう。相談者はよくやれていると思います。

教育費を聖域にしない

子どもにかかるお金のうち、大きな割合を占めるのは食費という調査があります。けれど、家計の中で子どもだけの食費を切り分けて考えることは、おそらくありません。保護者にとって、かかる費用が気になるのは教育費でしょう。

相談者は、子どもをもう一人欲しいと希望しています。そして、子どもが3人になった場合、全員を大学へ進学させるだけの教育資金を準備できるかどうかを心配しています。大学は国立なら一人暮らしもOKで、私立大なら自宅通学というところまで考えていることから、大学進学費用についてある程度調べていることがうかがえます。

とはいえ、その時になってみなければ実際の負担額はわからないのが教育費です。保護者が高校までは公立と考えていても、入学試験に合格しなければ私立高校へ通うことになるでしょう。国立大学へ行ってほしいと願っても、遠方の私立大学を子ども自身が選ぶこともあり得ます。

そこには、保護者の財布事情とは異なる、子ども自身のライフプランがあるのです。保護者にとっては予定外・予想外の教育費が生じた場合、どこまで負担するかは決めておかなくてはなりません。保護者の収入には限りがあり、その中で自分たちの老後生活費も賄わなくてはならないからです。

つまり、まだ手元にお金があったとしても、老後生活資金を取り分けて残った金額までしか、教育費として使えないということなのです。

第三子のタイミングは「今」

相談者が子どもの教育費をすべて負担してやりたいと考えるのなら、相談者夫婦の老後生活資金もきっちり用意することが必要になるのですが、時間軸上で考えると第三子を授かるのなら「今」ということになります。

相談者は、「第三子を授かるなら体力的に今」と考えていますが、実は資金面からも「今」が望ましく、後送りはしない方がよいと言えます。

第三子の出産が来年の場合、相談者59歳、夫60歳で第三子の教育費負担を終えることができます。就労の定期収入がある間に教育費負担を終えることができるのですから、老後生活資金が多少不足したとしても、年齢的に元気な60歳以降の数年~10数年の間に収入を得て、老後生活資金を増やすことが可能になるからです。