はじめに

教育資金計画は進路パターンを複数用意

相談者の想定している進学パターンの2つは、大学が国立か私立かというものです。小学校と中学校は私立を選ぶ人がそもそも少ないので公立限定でシミュレーションしてもいいのですが、高校は私立へ進学する割合が高まります。公立に比べて高額になる私立高校時代の費用負担をしながら、大学進学費用を十分に準備できるのか考える必要があります。

教育費の見積もりに使用する調査データはいくつかありますが、いずれを使っても、シミュレーション結果は、一番安価なパターンはオール公立(大学は国立)で、一番高額になるのがオール私立になります。子どもの進路パターンは幾通りもありますが、実際に負担する金額はオール公立とオール私立の間にあるはずです。もちろん、平均額でのシミュレーションですから、私立大学医学部へ進学する場合は、私立大学の平均額を大きく上回ってしまいます。それでも、子どもが小さいうち、もしくは進路を定めていないうちは平均額で考えていいでしょう。

1

【グラフ1】は、基本生活費が現状の金額で推移するものとしてシミュレーションした結果です。小学校から大学まで私立校へ通ったとしても貯蓄残高がマイナスになることはありません。

基本生活費は子どもの成長とともに増加する

【グラフ1】は、物価の上昇や子どもが増えることによる基本生活費の増加を考慮していません。収入の範囲で暮らしていくことが家計のやりくりの基本ですから、子どもが増えたからと言って、比例して生活費を増やしてよいわけではないからです。

それでも、増やすつもりはなく節約に努めたとしても、基本生活費は増えるのが自然です。【グラフ2】の破線は、収入は現状維持で、住宅ローンと保険料以外の支出は変動(増加)するシミュレーション結果です。子ども3人がオール公立(青色)とオール私立(赤色)の2パターンを表しています。

2

変動率に使用した3.725%は、内閣府の調査による、子どもにかかる1年間あたりの金額を0歳児と中学3年生を比較した場合の毎年の増加率です。この増加率を使って相談者の生活費が増加するものと仮定して試算すると、オール私立では貯蓄残高が数十万円から1,000万円台の低空飛行が長く続きます。ただし、貯蓄残高がマイナスになるのは18年後、第三子が高校2年生の1年間だけ。このシミュレーションには結婚前に投資している350万円を含めていないので、実質はプラス状態を維持したまま老後生活を迎えることができます。ただ、60歳時点で住宅ローンが約1,000万円残っている計算ですので、相談者60歳時点で約3,000万円ある貯蓄残高は実質2,000万円ということになります。

シミュレーション結果から、少し条件が変わるだけで、20年、30年先の貯蓄残高が大きく変わることがお分かりになると思います。シミュレーションは、仮定の進路、仮定の金額で行っています。実際の支出が行われるたび(1年に1回とか、シミュレーションと明らかにことなる現象が起きた時など)にシミュレーションを行って、計画を現実に即したものに修正していくようにし、修正後の計画を実施していくといいでしょう。

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのFPが答える「みんなの家計相談」の過去の記事一覧はこちらから。

この記事は参考になりましたか?