はじめに
トヨタ自動車は2021年2⽉23⽇、“富士山の日”に、静岡県裾野市に開発するトヨタ版スマートシティの実験都市となる「ウーブン・シティ(Woven City)」の地鎮祭を行いました。
東京ディズニーランド約1.5個分の敷地に、「e-Palette」など完全自動運転かつゼロエミッションのモビリティ用、歩行者専用、両者用の3種類の道を網の目のように整備する計画です。ウーブンは「織られた」を意味します。
街の建物はカーボンニュートラルな木材で作り、屋根には太陽光発電パネルを設置。暮らしを支える燃料電池発電を含めてインフラは全て地下に埋め込まれます。住民は室内用ロボットなどの新技術のほか、センサーデータの活用で健康状態をチェックするなど生活の質を向上することが出来ます。まさに、夢の「未来都市」と言えるでしょう。
トヨタフィロソフィーでSDGs推進
未来都市の実現のため、トヨタは社外から様々な協力を得ようとしています。2020年3月、NTTと業務資本提携を結び「スマートシティプラットフォーム」の実装化を発表。パートナー企業や研究者との連携を目指していく方針です。
2021年3月2日には、SDGs実現に資するプロジェクト資金の調達を目的とした「Woven Planet債(ウーブン・プラネット債)」の発行計画を発表しました。ウーブン・シティの建設や実証実験に使途を定める個人投資家向け社債(1,000億円)や機関投資家向けサステイナビリティボンド(1,300億円+27.5億ドル)を発行する予定です。
「ウーブン・プラネット」には、「自分以外の誰かのために」というトヨタが創業から守り育ててきたトヨタフィロソフィーの精神と、「誰ひとり取り残さない」というSDGsの精神で未来に向けた歩みを一歩一歩進めていくというトヨタの決意が込められています。
<写真:AFP/アフロ>