はじめに

アリババも「スマートシティ」に一役

海外でのスマートシティ開発の取り組みは、2000年代初頭から始まっています。

デンマーク・コペンハーゲンは2025年までのカーボンニュートラル達成を目指すエネルギー利用拡大を皮切りに取り組みを広げ、経済成長と課題解決を両立しています。デンマークは1980年以降、GDPが90%以上成長しながら、二酸化炭素の排出量は40%削減されました。

アリババが本社を構える中国・杭州市は、同社の主導により、スマートシティ化を推進しています。深刻な交通渋滞や交通事故を受け、同社は2016年に“ET City Brain(都市の脳)”システムを開発して提供を開始。8万ヵ所の信号を自動でリアルタイムに制御することで大幅な渋滞緩和を実現し、道路の通行速度は15%向上しました。

15のスマートシティ先行モデルプロジェクト

日本では、内閣府が「統合イノベーション戦略2019」にて、スマートシティを「Society5.0」の先行的な実現の姿として位置づけています。「スマートシティ官民連携プラットフォーム」のHPでは、内閣府、総務省、経済産業省、国土交通省の関連事業における184プロジェクトの閲覧が可能です。中でも、国土交通省は2019年に全国の牽引役として「先行モデルプロジェクト」15事業を選定し、資金とノウハウの両面から支援しています。

その中の一例である「柏の葉スマートシティ」は、千葉県柏市、三井不動産、東京大学等が幹事を務め、公・民・学の連携とデータ駆動による地域運営を通じた「進化し続ける街」を目指しています。2021年度には、(1)自動運転バス、(2)脱炭素社会に向けたクラウド化による需要予測等、(3)公共空間でのAIモニタリング活用によるサービス提供、(4)「柏の葉パスポート(仮)」による住民の健康データ収集とサービス提供などの実装化が計画されています。

一連のスマートシティに関連した投資としては、次世代を担う技術を有する個別企業への投資に加え、スマートシティに欠かせない「MaaS」(モビリティ・サービス)関連ファンドや「Society5.0」関連ファンド、「社会課題解決応援」ファンドなどへの投資も一手と考えられるでしょう。

<文:チーフESGストラテジスト 山田 雪乃>

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