はじめに
老後資金よりも「緊急予備金」を優先して
現在、ひとり暮らしで派遣社員をしているご相談者さん。「老後資金を貯めたい」というご相談ですが、貯金が0円のいま、真っ先に貯めるべきは老後資金ではなく、「緊急予備資金」です。
緊急予備資金とは、病気やケガ、失業などへの備えとしてすぐに出し入れできるお金のことです。例えば、「骨折をしてしばらく働けない」ことになったら、いつも通りの家賃や水道光熱費等に加えて、入院費用も支払います。働けなければ、収入も減るでしょう。また、自分自身が健康でも、派遣社員は正社員よりも不安定な就労条件のため、会社側の都合により契約が更新されない可能性もあります。そんな場合、次の仕事が見つかるまでには数カ月のブランクが空くことだって考えられます。
いろいろ不安なことを並べてごめんなさい。でも、そうした「万が一」に自分自身で備えてこそ、安心して暮らすことができます。本当に「万が一」のことが起きた時にも、自分の力で立ち上がって歩き出すことができるようになります。
まずは3年間で100万円を目標に
緊急予備資金は、万が一の時に引き出しやすいことが重要ですから、まずは「預金」しましょう。現在の貯蓄可能額は月額3万円です。ボーナスはありませんから、年間の貯蓄可能額は36万円となります。これを3年間続けると、100万円が貯められます。
都市銀行の場合、普通預金の金利は0.001%、定期預金金利は0.002%程度ですが、ネット銀行のキャンペーンなどでは、0.1〜0.2%程度の金利が見られます。最初のうちは、積み立てやすさを第一に、給与口座で自動積立を始め、年に1度くらいはネット銀行等に預け替えをしていってもいいでしょう。
副業や収入アップの道を探しましょう
派遣社員にはボーナスもありませんし、退職金もありません。何歳まで仕事を継続できるかも不透明です。そこで、派遣社員の仕事に慣れて生活のリズムができてきたら、少しずつ副業などで収入を増やす道も考えてみましょう。
副業にはいろんな方法があります。例えば、イラストを描くのが得意、文章を書くのが得意など、自分の得意なことがあるのなら「ココナラ」のようなスキルマーケットに登録して、自分の得意なスキルをお金に換える方法があります。
そんなスキルは持っていない、すぐにお金が欲しい、という場合には、求人サイトに登録して、休日に単発バイトをする方法もあります。本業の副業規定に触れない範囲、体力や精神的に負担にならない範囲であれば、これからは1つの仕事に縛られずに、仕事を組み合わせて持つという発想を持ってもいいのではないでしょうか。