はじめに

キャッシュフロー表の作り方を知ろう!

資金計画をたてるには、キャッシュフロー表(以下CF表)を作成するのが1番です。現状を把握して将来のお金の出入りを予測することができます。

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上表のように、CF表の作り方は、まず最初に家族の年齢をエクセル表に記載します。今回は妻65歳の定年退職までの21年間を見ていきたいと思います。

下記は、前提条件です。
1、収入欄には、妻と夫それぞれの税込み年収を記載します。妻は定年が65歳。夫も65歳まで働くと仮定しています。
2、老後の収入である年金は、夫婦ともに65歳からもらうとしています。
3、社会保険料と税金等の合計値は、相談内容にある税込み年収と手取り年収の数値から計算して、約24.4%としています。妻と夫の社会保険料と税金の数値はそれぞれ異なりますが、今回はわかりやすく妻と夫もともに同じ数値を入力しています。
4、支出欄の内訳は、わかりやすいように生活費と教育費の2本にしています。教育費のデータは、幼稚園~高校までは公立の平均値「文部科学省:子供の学習費調査(平成30年度)」を、大学にかかる教育費は私立理系4年間の下宿した場合の平均値「エフピー教育出版:ライフプランデータ集(2019年版)」を入力しています。
5、貯蓄残高は900万円、投資残高は450万円からスタートしています。

このように作成した21年間のCF表をもとに、教育資金→老後資金と順番に見ていきましょう。

大学4年間の収支は多くの家庭が赤字!

お子さんはまだ4歳です。今の時代は大転換期とも言われ、将来の世の中の様相は誰にもわかりません。将来お子さんが大学に行くかどうかもわかりません。しかし数値は甘く見るよりシビアに想定していたほうが、やりくりに融通がきくというもの。そこで現在のお住まいの沖縄県から離れて、異なる都市に行く可能性も加味して、大学費用の統計データの中でも、数値の高い私立理系(下宿住まい)を入力しました。

教育費欄を見ると、小学・中学・高校・大学と成長するにつれて教育費が増えており、同時に支出合計も増えていきます。それにつれて年間収支はだんだん減っていることがおわかりだと思います。なかでも大学4年間は私立理系(下宿住まい)の統計値を入力しているため大きく赤字です。この4年間は貯蓄の取り崩しの時期です。

このように大学4年間の時期は、多くの家庭の収支は赤字となるのが特徴です。

しかし、相談者のご家庭は、お子さんが大学入学前の18歳のときには、貯蓄残高が3,041万円と潤沢な貯蓄があります。「取り崩しの4年間」とはいえ、大学卒業の年には2,531万円のストックです。そのため、CF表から教育資金の心配はないことがおわかりだと思います。

老後は貯蓄の取り崩しの時期

貯蓄残高は900万円からスタートしています。投資残高450万円を合計すると、1500万円のスタートです。お子さんの大学4年間(妻60~63歳)はとり崩しの時期のため貯蓄残高は少なくなっています。しかしお子さんの大学卒業の翌年の妻の年齢は64歳です。公務員で定年65歳まで働く予定のため、64歳時の貯蓄は増えていきます。さらに翌年65歳の退職時には退職金1,500万円が加算され、いっきに貯蓄残高は4,516万円と増えていきます。投資残高450万円を合計すると4,966万円と、5,000万円近くになります。

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妻の定年退職後は、夫婦2人とも年金暮らしとなります。年金276万円(=妻180万円+夫96万円)の収入に対する支出は348万円です。上表のように、妻65歳から毎年貯蓄から72万円の取り崩し生活が始まります。

上表から、妻65歳から85歳までの20年間の貯蓄残高を見てみましょう。毎年72万円の取り崩しを20年間続けると、1,440万円(=72万円×20年間)がマイナスされて、20年後の貯蓄残高は、投資資金450万円を除くと、3,076万円(=4,516万円-1,440万円)です。老後生活には介護・葬式・病気や入院などの際にさまざまな支出があることを考慮して、別枠で予備資金1,000万円をストックしておきましょう。すると妻85歳のときには2,076万円(=3,076万円-1,000万円)の貯蓄が残ることになります。