はじめに

「現在の住まいへの不満は?」のアンケートに、必ずと言っていいほど上位に入っているのが「収納が足りない」という答えです。特に都心は家賃も高く、余裕がある収納を確保するのは難しいことかもしれません。

しかし、逆に考えてみましょう。収納が足らないのではなく、物を持ちすぎなのでは? 必要なモノは所有していていいのです。必要ではないモノ、使っていないモノが家の中にあれば、収納はいくらあっても足りません。

今回は私たちの生活にとって必要なモノは何なのか、そして必要なモノだけになった暮らしについて考えてみましょう。


必要以上に在庫がある調味料や洗剤類

チラシ広告を見て、いつもより調味料や洗剤が安くなっていると「今が買い時!」と在庫の有無に関係なく買ってしまってはいないでしょうか。筆者がテレビ番組のロケなどでお宅訪問をすると、調味料や缶詰、洗剤、トイレットペーパーなどが棚に入りきらず出しっぱなしになっている家庭もありました。

家を会社として考えたとき、社長が在庫があるものを次々と買い足し倉庫に眠らせていたら、社員としては「社長の無計画、無駄遣い、その分給料あげてほしい」などと思うのではないでしょうか。これは家でも同じことです。

在庫が複数あると、所有している数を把握できず「もう無かったかも」と思いこみ、また買ってしまう悪循環になってしまいます。在庫を複数抱えている場合、必ずと言っていいほど賞味期限切れとなったものも並んでいます。安いからと買ったものが無駄になっているのです。お金だけのことではなく、土地が高い日本においては、収納場所の無駄遣いにもなっています。

在庫はいくつが適正?

それでは調味料や洗剤類などの在庫はいくつが適正でしょうか。それは、そのモノ1個のなくなるスピードと、その人の買物に行く回数や通販で届く日数にもよります。目安としては、使用中のものプラス在庫は1個でいいのではないでしょうか。使用中のモノが終わり在庫として持っていたものを使い始めたときに、次の在庫を購入するというサイクルにしておけば、所有個数は把握でき、収納場所を取りすぎることもありません。

ただし災害時用などのストックは別に考えます。災害時用に準備しておくモノに対して「ローリングストック」という方法があります。日頃利用しているものを少しずつ多めに買っておき、災害時にはそこから使うという方法です。しかし、この方法は在庫管理が上手くできない人にはあまりおすすめできません。前述のとおり在庫の数が把握できなくなり、十分すぎるほどに在庫があるモノと、いざという時に足りないモノも出てきてしまう可能性があるからです。

そのため、災害時用のストックは別にしておき、年に2回ほストックをまとめて使い、新しいモノを買うというサイクルにすることをおすすめします。

[PR]NISAやiDeCoの次は何やる?お金の専門家が教える、今実践すべきマネー対策をご紹介